整えアドバイザーとして、整理収納に関する著書をもち、セミナー活動も行う阪口ゆうこさん。片づけ下手だったという自身の経験を踏まえた、「ハードルの低い」片づけ術が人気を集めています。これまでたくさんのお宅を見てきて実感したのは「片づけられる人」と「片づけられない人」には生活習慣やものの考え方に明確な違いがあること。その違いについて、具体例とともに解説してもらいました。

あなたはどっち?片づけられない人と片づけられる人の違い

皆さん、なんとなく気がついているとは思いますが、片づけられる人と片づけられない人には結構わかりやすい差があります。私も、今でこそ「整えアドバイザー」などをしていますが、本来は完全に片づけられない派。自分自身の恥をさらすようですが、両者の考え方や生活習慣の違いをチェックすることで、なぜあなたが片づけられないのか、その理由がわかるはず!いくつ当てはまりますか?

●片づけられない人はイスに深く腰かける、片づけられる人は浅く座る

イスに深く腰かける
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片づけられない人は、一度座ったら動く気がないので深~く腰かけます。ゴミが出てもあと回し、コーヒーを飲み終わっても流しに持っていくのはあと回し。かたや、片づけられる人はイスには浅く腰かけます。ゴミが出たらその都度捨てる。コーヒーを飲み終わったら作業の場所を捻出するためにもタイムリーにお片づけ。つまりは物事を先のばしにするかしないかの違い。片づけられる人は物事を先のばしにせず、その都度完了させる習慣があるのです。

●片づけられない人は荷物が多い、片づけられる人はカバンが小さい

荷物が多い

どこに行くにも大きなカバンで、中にはいらないものやレシート、ガムの包み紙が散乱…。ここまでひどくはなくても、片づけ下手な人は荷物が大きい傾向があります。小さいカバンで事たりるのは、自分にとって、本当に必要なものだけを厳選できているから。優先順位をつけられる人は片づけも上手なのです。

●片づけられない人はいただきものが多い、片づけられる人は断り上手

片づけられない人はものを増やすことに意識が低いのも特徴のひとつ。「ラッキー!」と、もらえること自体がおトクだと考えがち。一方、片づけられる人は、人を傷つけずに気持ちよく断る術を身につけているので、「お気持ちだけいただきます」がさっと言えます。片づけられる人は不要なものを増やすことに抵抗があるうえに、必要なものはよく考えて判断し、自分で手に入れようとする意識が高いので、むやみにものを増やすことはしません。

●片づけられない人はゴミ袋片手に片づけ始め、片づけられる人は最後にゴミ袋を登場させる

ゴミ袋片手に片づけ始める

片づけられない人がものを整理しようと決心したら、真っ先にゴミ袋を手にして、不要なものを次々とダイレクトインしていきがち。反対に片づけられる人は「これから先それが必要か」「なぜそれが必要でなくなったか」をまず考えて冷静に取捨選択をしてから、最後にゴミ袋を用意する傾向に。衝動的にものを減らして後悔して、買い直したりリバウンドしたりするかしないかの違いです。片づけられる人は、必要なものに対するこだわりがあり、自分のものの適正量もよく知っています。

●片づけられない人は理想が高い、片づけられる人はハードルを低めに設定

片づけられない人は、雑誌やブログに載っている片づけのプロが住む空間を目標にしてしまいがち。もちろん、一足飛びにそこを目指しても挫折しかありません。片づけられる人の場合は、自分が実現できるレベルを目標にします。日々片づけに費やせる時間や、自分や家族にとっても使いやすいさ、すなわち自分の「力量」を見極めて、越えられる高さのハードルを設定しているのです。
日々の暮らしで重要なのは、人から憧れられるような完璧さ、美しさ、豊かさではなく、自分に合っているかいないか。片づけられる人というのは、それをきちんと理解できている人なんです。

ここまで読んで、「生まれつきの性格だから…」とあきらめるのは早計!片づけられる人の特徴はどれもちょっとした意識の転換で実践できることだと思いませんか?習慣を変える前に大事なのは、日頃の行動を変えること。そうすればおのずと、「片づけ脳」に生まれ変わりますよ!

【阪口ゆうこさん】

整えアドバイザー。夫、小学生の長男、長女の4人暮らし。自宅セミナーで収納や時短家事など暮らしをスムーズに回す工夫をレクチャーする。著書に『

家族がいちばん。だからきちんと選べる。きちんと使える。ゆるミニマルのススメ

』(日本文芸社刊)がある。ブログ「

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」では日々の工夫を発信中。