テレビや雑誌などで、スマートに暮らすためのアイデアを披露している、整えアドバイザー・阪口ゆうこさん。かつては片づけ下手だったという阪口さんが、過去をふり返って気づいた、今はやりの収納方法の落とし穴について教えてくれました。テーマは、「きれいに収納することよりも本当に大事なこととは?」。
はやりの冷蔵庫収納はじつは上級テク。マネするのは危険かも?
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冷蔵庫の中を100均のケースできっちりと分けて、便利グッズを隙間なくインストール…。そんな冷蔵庫収納が、なんだかはやっています。たしかにフォトジェニック!インスタ映えも抜群。しかし、うかつに手を出すのは危険なんです。
見た目が美しい収納ができる人は、じつはひと握りの収納上級者。SNSや雑誌をマネてみたところで、思っていたより使いにくい!なんてことになりかねません。まずは原点に戻って、冷蔵庫収納を本来の目的を見直してみましょう。
そもそも冷蔵庫は「収納を楽しむ場所」の前に、食材を保管する場所。口から食べたり飲んだりするものを保管するので清潔にしておきたい場所です。清潔にしておきたいのなら、こまめな掃除が欠かせません。ということは、冷蔵庫の中に置いてあるものが少ない方が有利です。
こうして清潔さが保たれた食材をおいしいうちに食べきる。冷蔵庫を使用するうえで、これがいちばん大切なことなのではないでしょうか。収納グッズを駆使して食材を見た目よく収納することは、その次のことなのです。もちろん、すっきりした収納は、食材の迷子を減らして「食べきる」ことに貢献するので、これはこれで大切なことではあります。
収納ケースで冷蔵庫を仕切るより「使いきること」が大事
これは買い出し直後のわが家の冷蔵庫。人を呼ぶタイミングだったので上段にズラッと並んだお酒はご愛敬(笑)。
こんなふうに冷蔵庫の中には収納ケースやトレーは置いていません。棚の高さを調節するためのラックがあるくらい。
というのも、そうした収納するためのスペースをつくると、そこは「ものを置いてもいい場所」になってしまうから。一見するときれいに見えても、じつはケースの中には開封ずみやちょい残しの食品やら調味料でゴチャゴチャ…という事態になりがち。それでは結局、冷蔵庫の中はいつもなにかしら入ったままになって、永遠に片づかないんです。
私は使いきることを第一優先にして、次の買い物の前には、下の写真のように、冷蔵庫内がガラーンとからっぽになるように工夫しています。
ポイントは使いきれる分だけ買うこと。最近のスーパーでは単身者向けに少量にカットされた野菜や、少量パックの食材もあって超便利。わが家ではよく利用しています。
そんなの割高じゃないの~!なんて思うかもしれないけど、考えてみて。大容量の徳用品を買って余らせているようでは意味ないですよね。
使いきりサイズの食材はコンビニにあり!
使いきる分だけ買うときにおすすめしたいのはコンビニです。最近の進化は本当にすごく、品ぞろえも豊富で、残りがちな食材が少量で買えるからほとんどムダがありません。いつも残りがちなラッキョウも食べきりサイズ、家族でも好みが分かれがちなドレッシングも食べきりサイズ、味つけ煮卵も必要な量だけ買える。使いきれずに処分することを考えたら断然コンビニを推奨したい。
スーパーでも最近は少量パックが増えているので、もちろんそれでもいいのですが、スーパーの場合、「せっかく来たので…」とあれこれ買いすぎてしまうことも。コンビニであれば、割高という意識がある分、本当に必要なものだけですませることができます。
必要な分だけの食材を買って、きちんと使いきることが習慣化したら、気づけば冷蔵庫は定期的にガラーンとからっぽになるように。そうなったら、すき間時間で掃除もできます。
まずは冷蔵庫の中身の食材をきちんと使いきるイメージをもって庫内を管理すること。収納ケースできれいに仕切るフォトジェニックな収納法は、それが身についてから挑戦した方が失敗は少ないはずですよ。
整えアドバイザー。夫、小学生の長男、長女の4人暮らし。自宅セミナーで収納や時短家事など暮らしをスムーズに回す工夫をレクチャーする。著書に『
家族がいちばん。だからきちんと選べる。きちんと使える。ゆるミニマルのススメ』(日本文芸社刊)がある。ブログ「
HOME by REFRESHERS」では日々の工夫を発信中。