「引き出しを制する者は、キッチン収納を制する!」。これは、今までたくさんのお宅を取材してきたESSE編集部が出した結論です。キッチンの引き出しの中のものを簡単に出し入れすることは、そのまま片づけやすさにつながるからです。
ひと口に引き出しといっても、じつは深さや奥行き、幅など形はさまざま。用途やあけしめの頻度、入れる道具などによっても、便利な使い方は変わってくるもの。そこで今回は、ESSE編集部の収納担当が”優れもの!”と感じた、達人たちの引き出し使いを紹介します。マネして、効率的な台所仕事を目指しましょう!

引き出しの使い勝手は、中身の把握のしやすさと取り出しやすさがポイント

上からのぞいた際に、なにかどこにどれだけあるのかがパッとわかりやすいと、引き出しは圧倒的に使いやすくなります。また、これができていないと、中にあるものが取り出しにくく、毎日イライラすることに。達人たちによる道具や器、カトラリーのしまい方を、さっそく見ていきましょう。

●マグカップはコンビニのペットボトル陳列方式に

マグカップ
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整理収納アドバイザーとして活躍中の大橋わかさんが提案するのは、カップの収納術。「縦1列に同じ種類のものを並べるルールにしています。少し引き出すだけで、その1列になにが並んでいるのかが把握できます」。おそろいでもつカップのようなものは、複数を取り出すこと場面が多いので、とても合理的。

●カトラリーケースは縦&横交互に重ねて、スライドできるように

カトラリーケース

「あけたときに、上からひと目で入っているものすべてがわかるようにするのが、引き出し収納のコツ」と語るのは、整理収納アドバイザーの村上直子さん。「カトラリーケースは、縦・横交互に重ねて配置。スライドできる余裕をもたせ、下のものも出しやすくしています」。この仕組みにすることで、深い引き出しの内部を効率よく使いきることが可能に。また、ざっくりとしたスペースが細かく仕切られるので、用途が同じアイテムを使いやすくまとめることができます。必要なら、カトラリーケースごとテーブルにもっていくこともOK。

●長さのあるものはトレーの縁に引っかけてしまうとパッと取れる

トレー縁に

家事がしやすい収納テクを書籍にしたmkさんは、よく使うキッチンツールをコンロ脇の引き出しに。「中にトレーを設置しています。その縁で手前を浮かせるように、菜箸とフライを収納すると、パッと取れて台所仕事の効率が上がりますよ」。

●カトラリーは先を手前にしまえば、奥まで引き出す必要なし

先を手前に

引き出しの奥に長めのカトラリーを、先を手前にして入れている大橋さん。「全部引き出さなくても、スプーンなのかフォークなのか、すぐにわかります。しまうときの手間は同じでも、出すときがぐんとラク!」。引き出しを最後まで引き出す、というのは確かに面倒なもの。ぱっと見で中身がわかりやすいため、繰り返される手探りで引き出し内がごちゃごちゃになる事態も防げます。

●つっぱり棒で手前を浮かせて奥のものを取り出しやすく

突っぱり棒で

かゆいところに手が届くアイデアをブログで発信する、整理収納アドバイザーのcoyukiさんはこういいます。

つっぱり棒でアップ

「調理台下の引き出しの奥につっぱり棒を入れ、おろし金とスケールを手前を浮かせるようにしてのせています。こうすると、奥のものもぐんと取り出しやすくなるんです」。

●ケース下の奥側にスポンジを入れ、高低差をつけて取り出しやすく

スポンジを入れ

ブログでシンプルで使える収納ワザを公開しているKOKOさんは、奥の方が高くなるよう、2cm程度にカットしたメラミンスポンジをカトラリーケース下にはりつけました。ケースが緩やかに斜めになるので、重力の影響で、カトラリーはいつも引き出し手前側にあることに。「開閉時にカトラリーが移動せず、ガタガタ音もしませんよ」。

●毎日使う器は、重ねずに平置きに

重ねずに平置きに

KOKOさんは食器棚の引き出しの1つを、毎日使うお茶碗とお椀専用に。「重ねずに平置きすれば、平日、家族の食事の時間がずれてしまうときも、いちいち全部出したり入れたりせずに、必要なものだけを一発で取り出せます」。たったこれだけでも、食事の準備に起こりがちなプチストレスから解放されますよ!