家のものを「ときめくかどうか」を基準に片づけることで、「片づけ界」ではすっかりおなじみになった片づけコンサルタントの“こんまり”こと近藤麻理恵さん。今では、活躍の場を海外に広げ、アメリカで生活しています。先日は「第10回ベストマザー賞2017」を受賞したこんまりさんが、アメリカでの玄関で「靴脱ぐor脱がない」事情について語ってくれました。話は広がり、玄関や靴を大切にすることの意味についてまで及ぶことに!

こんまり
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神聖な場所である玄関。アメリカでも大切にしています

じつは私、「おうちの顔」である玄関には、並々ならぬ思いがあります。理想としては、常にたたきまでピカピカですっきりと片づき、季節の花やお気に入りの絵など、ときめくものがさりげなく飾られ、よい香りが漂っていて、自然と「ただいま」と声をかけたくなる…そんな空間。玄関は、家の中でいちばん神聖な場所だと思い、大切にしたいのです。

わが家の玄関

こちらがわが家の玄関。ドアがアンティークっぽい雰囲気で気に入っています。日本と違ってたたきがない玄関にも、やっと慣れてきました。

たたきのないアメリカでも靴を脱ぐ生活

皆さんご存知のように、欧米では家の中でも靴を履いたままがスタンダード。ただ、私の周囲を見てみると、最近は靴を脱ぐお宅も増えている気がします。アメリカ人のなかにも「脱いでみたら、その方が部屋は汚れないし合理的でいい」と考える人は意外といるみたいです。

わが家はもちろん「靴を脱ぐ派」。現在住んでいるアメリカの家の玄関は、日本のようなたたきがあるわけではなく、ドアをあけると小さなスペースの目の前に壁があり、左手に廊下が続くというつくり。

ここからが部屋、というはっきりした境がなく最初はとまどいましたが、ドア近くに小さなベンチを置き、絵を飾って、狭いながらも「わが家の玄関」としています。外から帰り、ドアをあけて入ったら、すぐその場でスリッパに履き替える生活。やっぱり、この方が落ち着きますね。遊びに来たアメリカ人の友人のなかには、「気持ちがいいね」と、スリッパも履かず靴下のまま歩く人もいます。

玄関は気持ちを切り替える大事な場所。いつもきれいに

日本の玄関は、独立しているので、内と外の境界をはっきりさせる意識が働きやすいですよね。私は、ドアをあけた瞬間に、そこのお宅の空気感が表れると考えているので、玄関はとくに清潔で美しくしておくべき場所だと思っています。

「神社の鳥居のような」と表現していますが、外界から帰って、神聖で心底落ち着けるスペースに入っていくように、気持ちが切り替わるところであってほしいんです。

玄関をゴミや古新聞の置き場にしたり、持ち込んだDMやチラシをゲタ箱の上に置きっ放しにするなどの行為は、「気」がよどむ元凶です。ときおり「プチ片づけ祭り」を開催して、履かなくなった靴、壊れて使えない傘などもどんどん減らすようにしましょう。たとえば靴は、床に新聞紙を敷いて、スニーカー、サンダル、パンプスなどと、種類別に並べ、そこからときめくものを選び取っていくとスムーズ。

これ、実際にやってみると、似たような靴をたくさんもっていることに、ほぼ100%の人が驚きます。玄関が片づかないと悩んでいる人におすすめですよ。

また、玄関をきれいに保つ方法として、玄関にある靴そのものを美しくしておく、というのも大きなポイント。革靴はちゃんと磨くとか、キズのついたヒールは直しに出すとか。

2歳の長女も自分の靴の裏をふくように

私はときどき、靴の裏をふくようにしているのですが、始めたのは、まだ実家暮らしだった大学生の頃。家にあった風水の本に「玄関のたたきをふくと運気が上がる」という記載があり、試してみるとすごく気持ちがすっきりして、やみつきになったんです。そのついでに靴の裏もふくようになったら、さらにすっきりして。それ以来、習慣となりました。

靴の裏までふくのは大変、と思う人もいるかもしれませんが、慣れてしまえばなんてことはないです。わが家では2歳の長女もマネをして、ふくようになりました。よかったら試してみてください。すがすがしい気持ちになれると思いますよ。

2歳の長女も自分の靴の裏をふく

靴の裏をふいてから定位置にしまうのがわが家流。私がやっているのを見た長女も、自分の靴の裏をふきふき。なんだかかわいいです。

デザインナーさんと話し合う
アメリカで『マンガで読む「人生がときめく片づけの魔法」』が翻訳出版されることに…!この日は表紙のデザインについて、現地のデザイナーさんと話し合いました