新型コロナウイルスの影響で、「withコロナ」の暮らしが続くなか、髪を切りたいけれど以前のように頻繁に行けずに困っている方も多いはず。
「せめて前髪だけでも切りたい! でも自分でやると失敗しそう…」という、大人女性のお悩みを、髪のプロの強力タッグに解決していただきます。
数多くの女性の髪に触れてきた、ヘアライター・佐藤友美(さとゆみ)さんと人気ヘアサロンMINXのトップデザイナー・八木花子(八木ちゃん)さんが、前髪のセルフカットでやりがちなNGテクとOKテクを50代の読者をモデルに、わかりやすく徹底解説!
50代からの自宅でセルフ前髪カット、失敗しないコツをプロが伝授!
さとゆみ:最近は、コロナで美容院に行けないという人が、家でカットしたいというケースが増えているよね。
八木ちゃん:そうなんです。ただ、前髪ってヘアスタイルのなかでも、もっとも重要な場所なんですよ。
さとゆみ:そうだよね。前髪失敗すると、消えたくなるもん。
八木ちゃん:なので今日は、自宅で切る場合の、前髪カットのポイントをお伝えしていきます。
さとゆみ:ポイントは、6つありますよ!
(1) 髪を持ち上げない
(2) ハサミは縦に持ってナナメに入れる
(3) 髪は乾かして切る
(4) 前髪以外を取り分けておく
(5) 前髪の横の髪は切らない
(6) ハサミは髪専用のものを使う
●前髪は指で持ち上げず、ハサミは縦に持ってナナメに入れる。濡れたまま切るのはNG
さとゆみ:前髪のカットって、繊細だよね。思ったより短くなっちゃったりして。
八木ちゃん:短くなるのって、原因があるんですよね。まず、前髪を指で持つのはNGです。
さとゆみ:これ、やりがち!
八木ちゃん:これをやると、前髪が指で持ち上がってしまうんですよ。髪が本来ある位置からずらして切ることになるので、失敗しやすいんですよね。
さとゆみ:これ、知らない人、多そうだね。
八木ちゃん:もうひとつのポイントが、ハサミを横ではなく縦に持って、ナナメに入れること!
さとゆみ:たしかに、私たち素人がハサミを横に使って切ると、ガッタガタになっちゃうのよね。これはどうして?
八木ちゃん:ハサミを横に入れると、カットラインががっつり入っちゃうんですね。だから、本当にまっすぐキレイに切れない限り、 失敗しやすいんです。
さとゆみ:私、子どもの髪をカットしたときに、まっすぐ横に切ることの難しさを知りました……。
八木ちゃん:なので、おすすめなのは、ハサミをナナメに入れること。そうすれば、自然とカットラインをぼかすことができるので、初めて自分の髪を切る人でも失敗しにくくなります。
さとゆみ:このときって、髪は濡れている方がいいの?
八木ちゃん:乾かした方がいいです。というのも、髪が濡れている状態だと、髪のクセと実際の長さが見えないんです。だから、乾かして自分の生えぐせや長さをわかった状態で切るのがコツですよ。
さとゆみ:髪って、乾くと持ち上がるよね。
八木ちゃん:そうそう、それも理由です。濡れているときの長さで切っちゃうと、乾かしたときに「短くなりすぎた!」となるので、髪は乾かして切りましょう。
●前髪を特定して切るのがコツ。「前髪のすぐ横」は触らず、ハサミは専用のものを使って
さとゆみ:それ以外にもコツってありますか?
八木ちゃん:前髪の範囲をしっかり取り分けるのがポイントです。
さとゆみ:たしかに、もともとの前髪より切りすぎちゃう問題ある!
八木ちゃん:そうなんですよ。なので、最初にピンやダッカールなどのヘアクリップで、前髪以外の部分を取り分けておきましょう。だいたい、黒目から黒目の間が目安ですが、もともとの前髪の幅にもよるので、鏡を見ながら止めてください。
八木ちゃん:それと、美容師的にいうと、前髪のすぐ横の髪は、アンタッチャブルでお願いします! さとゆみ:あーーー!! ここ、一緒に切ってしまいがち。
八木ちゃん:ここは、髪のバランスを決めるすごく大事な髪なんですよ。ここを、バランスよく左右均一に自分で切るのはとても難しいです。なので、この前髪とサイドの髪をつなぐ部分は、絶対に切らないでください。
さとゆみ:ちなみに、ハサミは、通販サイトなどで買ってもよいものですか?
八木ちゃん:はい。ハサミは通販サイトで、数千円で売っています。文房具のハサミで切っちゃダメですよ。
さとゆみ:切れないハサミで切ると、ガタガタになちゃうだけじゃなくて、髪も傷めちゃうものね。
八木ちゃん:だいたいのセットには、普通のカット用ハサミと、すきバサミが入っているのですが、すきバサミのほうはあまり使いすぎない方がいいと思います。
さとゆみ:ダッカールがついていると、先ほどの前髪の取り分けにも便利だね。私はこれ、子どものカット用に楽天で買いました。
八木ちゃん:これだけちゃんとセットになっていれば、十分です。ちなみに、お子さんの髪を切るときに不慣れで怖い場合は、すきバサミでトライするのもよいと思います。
さとゆみ:もう一度まとめると
(1) 髪を持ち上げない
(2) ハサミは縦に持ってナナメに入れる
(3) 髪は乾かして切る
(4) 前髪以外を取り分けておく
(5) 前髪の横の髪は切らない
(6) ハサミは髪専用のものを使う
の6つがポイントですね。
八木ちゃん:美容院に行くまでにどうしても我慢できないときは、参考にしてみてください!
<撮影・取材・文/佐藤友美>