新型コロナウイルスの影響で、白髪をケアしたくてもなかなか美容院に行けないという方も多いのではないでしょうか。
そこで、数多くの女性の髪に触れてきた、ヘアライター&エディター・佐藤友美(さとゆみ)さんと人気ヘアサロンMINXのトップデザイナー・八木花子(八木ちゃん)さんに、自宅での白髪染めでやりがちなNGテクとOKテクを50代の読者をモデルに解説してもらいます。
髪のプロの強力タッグが、大人女性の髪のお悩みをズバッと解決!
自宅での白髪染め。少しでも髪のダメージを減らしたい!
さとゆみ:みなさん、初めましてー。わりとなんでも白黒つけたがり、周囲をはらはらさせてきた、ヘアライターのさとゆみです。
八木ちゃん:(笑)。みなさん、初めまして。MINX(ミンクス)という美容院の八木花子です。私も結構、白黒つけたい派ですね(笑)。
さとゆみ:でも、ヘアに関しては、いろんな情報がたくさんありすぎるから、ズバッと白黒つけてもらえた方が嬉しくない?
私、女性向けのヘア講習でいろんな方にお会いするけれど、間違ったヘアケアやスタイリングしている人、多いなあって思うよ。
そうですね。ここでは、大人女性が間違いやすい、ヘアの常識・非常識について、きっちり白黒つけていきましょう!
●コロナの影響で、自宅での白髪染めが増えている
さとゆみ:今回は、自宅での白髪染め問題。コロナのことがあって、美容院に行きたくても行けない方が増えてるよね。
八木ちゃん:そうなんですよー(涙)。とくにみなさん、白髪染めには困ってらっしゃいますよね。
さとゆみ:美容師さん的には、ホームカラーしないで、美容院に来て欲しいって思うよね。…このテーマ、大丈夫?
八木ちゃん:いや、もちろん美容院にきていただけたら嬉しいんですけれど、このご時世、外出もままならないと思うんですよね。だから、自宅で染めたいという方のお気持ち、よくわかります。
ただし!
ただし!
八木ちゃん:染めるなら、なるべく髪が傷まない方法で染めてほしいんです! さとゆみ:たしかに、自宅での白髪染めで失敗したとか、髪がバサバサになっちゃったという人の話をよく聞くから、ここ、白黒つけたいですね。
さとゆみ:ホームカラーの説明書には、根元から毛先まで、しっかり薬液をもみ込みましょうと書かれているものが多いけれど……。
八木ちゃん:これは、絶対にやめてほしいんです! これをやると、本当に毛先がめちゃくちゃ傷んじゃう。
さとゆみ:そう。じつは髪の毛って、根元部分と毛先部分のダメージ具合が全然違うんですよね。
だから、美容院では、根元には強いお薬、毛先には弱いお薬でカラーリングと使い分けていて、髪が必要以上に傷まないようにしてるんだよね。
そうなんです。とくに白髪染めを繰り返している方は、中間から毛先部分の白髪はすでに一度染められているはずです。
その状態で、根元の新しい白髪を染めるための薬液を、毛先にももみ込んだりしたら、傷める必要のない毛先の髪の組織まで傷めてしまいます。
●毛先を“あるモノ”で保護すると、ダメージが最小限に
さとゆみ:毛先にもみこんじゃダメな理由はよく分かりました。でも、カラー剤って、狙ったところだけにつけるの、難しいよね。つい、毛先にも落ちちゃったりして。
八木ちゃん:ですよね。そこで、おすすめなのは、先に毛先部分にトリートメントを塗って保護してから、根元だけに薬液を塗る方法です。
トリートメントは、普段シャンプーのときに使っているものでいいですよ。
なるほど。そのテクニックは初めて知った! それなら、私くらい不器用な人でも大丈夫そう。
八木ちゃん:毛束を少しずつ持ち上げて、根元の白髪が伸びた部分だけに塗っていけば、ダメージも最小限です。
●プロがおすすめするホームカラー剤
さとゆみ:白髪染めを選ぶときに気をつけた方がよいことは?
八木ちゃん:まず、カラー剤と、カラートリートメントの違いを知っておくことが大事です。カラー剤は髪を染めるもので、カラートリートメントは、シャンプーをすると落ちるのですが、少しずつ白髪部分に着色していくものです。
さとゆみ:おすすめのものはある?
八木ちゃん:美容院でよく使われているミルボンというメーカーのオルディーブというホームカラー剤は、髪へのダメージが少なくておすすめですよ。市販品よりちょっとお高めですが、その価値はあると思います。
さとゆみ:へええ。ミルボンさんから、ホームカラー剤が出たんだね。知らなかった。
八木ちゃん:そうなんですよ。とくに、大人の女性によくおすすめしています。もうひとつは、グレイシアという商品。これは、歯ブラシみたいな形状のマスカラで、気になる部分を染めるものです。シャンプーすると色は落ちるのですが、少しずつ白髪に色がついていきます。
さとゆみ:美容院になかなか行けない時期は、うまくホームカラー剤とつきあいつつ、ヘアスタイルを楽しんでほしいですね。
八木ちゃん:はい! そして、また美容院に来られるようになるのを、お待ちしていまーす。
※紹介している商品は、ともに美容院専売商品となります。
<撮影・取材・文/佐藤友美>