ペットのかわいい写真や動画がネットで広く拡散される一方で、ペットの遺棄が深刻な社会問題に。飼うことを決断するときはもちろん、適切に飼い続けるには、責任感ではなく、お金のことも大切です。今回の相談者は、ペットの維持費が家計を圧迫して悩んでいるというESSE読者。ファイナンシャルプランナーの畠中雅子さんに家計を診断していただき、解決法を探ってみました。

家計簿のお悩みクリニック
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大切なペットの維持費をできるだけ減らさずに、月の貯蓄額を増やすにはどうする?

相談者

町屋みどりさん(仮名) 北海道・31歳(アルバイト)
夫38歳(契約社員)、長女6歳

お悩み

毎月赤字気味で、貯蓄は30万円のみ。2匹の犬のエサ代やペット保険料、洋服代などで月に2万5000円ほどかかっているのが原因かもしれませんが、大切な家族の一員なのでこのまま続けて、貯蓄をアップしたいのですが…。

町屋さんの家計収支

<収入>
夫の月収(手取り) ¥210,000
妻の月収(手取り) ¥30,000
児童手当 ¥10,000
収入合計 ¥250,000

住居費 ¥55,000
食費 ¥35,000
外食費 ¥2,000
電気料金 ¥6,000
ガス料金 ¥4,000
水道料金 ¥5,000
通信費(携帯電話2台分) ¥17,000
日用雑費 ¥4,000
レジャー・交際費 ¥3,000
子ども費(幼稚園月謝) ¥25,000 

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(習い事) ¥3,000 

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(その他) ¥5,000 

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クルマ費 ¥10,000
ペット費 ¥25,000 

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こづかい(夫) ¥20,000
(妻) ¥10,000
生命保険料(夫) ¥3,000
(妻) ¥0
学資保険料 ¥10,000
貯蓄 ¥10,000

支出合計 ¥252,000
収支 ―¥2,000
ボーナス収入 ¥0
現在の貯蓄 ¥300,000 ←check3

<畠中さんの診断>ペット費のムダを減らし、卒園後に貯蓄アップを

ペットの存在は確かに心なごむものですが、月2万5000円の出費は年間にすると30万円。町屋家の年収の1割以上を占めているという事実を、冷静に認識しなければ!今のままでは、将来、教育費がかさむようになると、家計はますます苦しくなります。トリミング代や洋服代などを見直して、少なくとも月5000円はカットすべきです。

そのうえで、来年、幼稚園の月謝が不要になったら、小学校費用との差額2万円を貯めること。まずは、100万円を目標にしましょう。ペット費で浮いた月5000円と合わせ、年間で30万円を貯め、今の貯蓄30万円を加えれば2年半で達成可能。貯蓄は100万円の束になると、崩したくない心理が働くもの。次の100万円は、よりラクに貯められます。

さらに、いずれ教育費が増えても貯蓄が続けられるように、妻が働く時間を増やすといいですね。教育資金、老後資金準備に弾みがつきます。

check1:小学校入学は貯蓄アップの機会!月2万円の積立を開始して

長女は幼稚園の年長。来年小学校に上がって幼稚園月謝2万5000円の負担が終わったときが、貯蓄アップのチャンスです。小学校でかかる費用は、PTA会費と給食代で月5000円程度。差額の2万円を先取りで貯めましょう。最初は自分でとりおき、慣れてきたら自動積立定期の利用を。給料振込口座からの引き落としでより確実に貯められ、普通預金より引き出しにくいメリットがあります。

check2:ペット費は月5000円カットし長く飼うための環境づくりを

2匹の犬のエサ代、洋服代、トリミング代、ペット保険料、ペット関連のイベント参加費、ドッグランの利用料などで、ペット費が月2万5000円にも。犬が15年生きたとすると、400万円以上かかることに。ペットは命を預かっているので、家計が苦しいからと途中で捨てるわけにはいきません。洋服代やトリミング代など削れる出費は削り、細く長く飼える環境づくりを。月5000円カットすれば、年間6万円、15年で90万円もラクになります。

check3:まずは100万円の貯蓄を目標に。こまめな節約も達成に効果的!

夫が契約社員で退職金がないことを考えると、教育資金だけでなく、老後資金もしっかり貯めておきたいもの。まずは100万円の貯蓄を目標にしましょう。できれば、スマホはSIMフリーなどを使って携帯電話代を減らす、夫婦のこづかいを手取り月収の1割に抑えて5000円カットする、といったこまめな節約も実行すると効果的です。