人生において最大の買い物ともいえるのが「家」。せっかく購入するのなら自分や家族が暮らしやすい設計や設備にできるといいですよね。
今回、一年前に注文住宅で家を建てたという、節約術や時短家事術を雑誌やSNSで発信する家計改善コンサルタント・アドバイザーの高木瞳さんに「つけてよかった設備、あえて省いた設備」を教えてもらいました。
家事がしやすく、部屋も広々!注文住宅でつけてよかった設備
わが家は一年前に、念願のマイホームを購入。工務店のモデルハウスからある程度の雰囲気を選び、間取りや仕様は自由に決められる「セミオーダー」という方法で建てました。
せっかく自由に設備を決められるのならば、「住み始めてからの家事がラクで、時短できる家にしたい!」と思い、内装を決めていくことに。
まずは、約一年住んでみたなかで「つけてよかった設備」と感じる設備を3つご紹介します。
●<つけてよかった設備その1>洗濯機上パイプハンガー
家を建てようと決めてから、日々の生活で「便利なこと、不便なこと」「自分が家事しやすい動線」を観察し、気づいたことはメモしていました。
そのなかで、洗濯物を干すときに私は「洗濯機から出しながらハンガーにかけたい派」と気づいたので(前の家ではつっぱり棒を活用)、洗濯機の上にパイプハンガーをつけてもらいました。
手を伸ばしてストレスなくけられる位置を計算してもらうことで、おっくうな洗濯物干しがぐっとラクに。
取り込んだあと1階にあるファミリークローゼットにしまう際も、いったんこのパイプにかけて仕分けができるので、とても重宝しています。
●<つけてよかった設備その2>つくりつけ収納
収納に関しては、いろいろなデッドスペースを活用したつくりつけ収納を設置。
デッドスペース以外にも、部屋の面積が少し狭くなりますが、洗面所、子ども部屋、ファミリークローゼットなど、必要と考えた場所には収納を優先し、部屋の広さは二の次と割りきりました。
引っ越してから家具を買うとなると、ぴったりサイズを探すのは大変で費用もかかります。結果的にはしっかりと収納を設けたことにより、雑多なものがそこらじゅうに出しっぱなしになることもなく、実際の面積以上に広々と使えています。
リビングの細々したものは、階段横のつくりつけ収納にしまっています。
ここには、
・薬箱、体温計、マスク、爪切り
・ガムテープ、ボンドなど
・ミシン、裁縫セット
・工具類、家の補修グッズ
・冠婚葬祭の封筒、ポチ袋、レターセット
・取扱い説明書、家電などの部品
・ホウキ、チリトリ
・各種書類
など、「使いたいと思ったときすぐ出したいもの」が集まっていて、必要なときはすべて「ここを探せば見つかる」ようにしました。
家族が集まって過ごす場所は細々したものが散らばりやすいため、大きめの収納をつくって大成功だったと思います。また、チェストなどあとから買いたした家具がないので、ホコリもたまらず、掃除がとてもラクになり、いいことづくめでした。
●<つけてよかった設備その3>プロジェクター
「いつかはホームシアターを設置したい」という夫の希望を「どうせなら新築時に叶えよう!」と、テレビの設置をなくしプロジェクターを取りつけました。
調べてみると、よいテレビを買うよりプロジェクターをつけた方が安かったのです。アパートに住んでいた頃はテレビ台を置いていましたが、裏のホコリ掃除が大変だったり、コードがごちゃついてストレスを感じていました。
設計時からプロジェクターを計画に入れていたので、配線はすべて壁の中に通し、ブルーレイレコーダーなどの周辺機器もすべてつくりつけ収納の中に収まるように。
完成した今では、まるでリビングが映画館のようで、わが家の主役と言っても過言ではなく、家族みんなが大満足しています! テレビがないことで部屋を広々使えて掃除もしやすく、一石二鳥でした。
わが家にはなくて正解だった、あえて省いた設備
次は、通常はつけることが多いけれど、あえてなくしたり数を絞った設備もご紹介します。これらも「家事のしやすさ」を優先し決めました。
●<つけなかった設備>浴室内の棚
もともと浴室には標準設備として棚がついていましたが、なくしてもらいました。
以前からお風呂掃除には時間がかかり、嫌いな家事の1つでした。なにがストレスなのかつきつめてみると、シャンプーなどのボトルを置きっぱなしにするとカビが発生したり、液ダレのあとがついたり、ボトルをどかしながら掃除するため時間がかかるのだと気づきました。
そこで、思いきって最初から棚をなくし、ボトル類はステンレスのカゴに入れて使うときだけ持ち込むように変更。
浴室内に掃除を妨げるものがないので、毎日お風呂上がりにさっと洗って完了。カビも生えにくく、清潔に使えています。
●<数を絞った設備>見せる収納棚
最初に工務店から提案されたインテリアは、扉のない「見せる収納」がたくさん取り入れられていました。扉をつけないと費用も安いのは確かです。
ですが、見せる収納が美しいのは、置いてあるものの色やテイストがそろっていたり、空間にゆとりをもたせて飾っていたり、さらにはその状態をキープするマメさが必要…。
片づけ上級者向けで自分には不向きと思い、見せる収納はほとんどをやめ、キッチンの顔になるグラス棚と、湿気がたまりやすい脱衣所の2か所のみ採用することに。
ほかはすべて扉をつけて、隠す収納にチェンジ。造作の扉にすると金額がぐんと上がるため、既製品のクローゼット扉を使ってもらい、費用を抑えました。
隠してしまえば、中のもののラベルがそろっていなくても、見せ方に気をつかわなくてもよいので、扉つき収納にして本当によかったです。見せる収納にした部分も2か所だけなので、キレイに保つように気をつけても負担はなく、自分の向き・不向きに合わせることは大事だなと実感しました。
家の建設に当たって、現状の「プチストレス」を客観的に見て集めることから始め、それを解決できる設備や動線を考える作業にじっくり時間をかけました。ずっと住み続け、ずっと家事をしていくからこそ、家事動線のよさ、ズボラな性格でもラクに整えられるインテリアを優先することに。
その甲斐あって、散らかりにくく片づけやすい快適な家になりました。これからおうちを建てられる&リフォームをお考えの皆さんのご参考になれば嬉しいです。