家計管理になにかと不安が多い今、「節約する」だけでなく「お金を増やす」に注目が集まっています。
「株式投資というと『怖い、危ない、難しい、面倒くさい』と敬遠しがちですが、新型コロナウイルス感染症の蔓延で株価が下がっている今なら、安く買えるので投資デビューするチャンスです」と話すのは、金融アナリストの永野良佑さん。
初心者でも始めやすい投資について詳しく解説してもらいました。
ポイントの投資なら初心者も始めやすい。株主優待や配当利回りにも注目
●ポイントでも投資ができる
いきなり大切なお金を投資するのはやっぱり怖いという人におすすめなのが、買い物などで貯めることができる「ポイント」を使った投資です。今では多くの証券会社が、ポイントを使って株や投資信託を買えるサービスを提供しています。
「もっともポピュラーなTポイントを使って1株から株に投資できるのがSBIネオモバイル証券。たとえば、株価100円の会社なら1株100ポイントで買うことができます」と永野さん。
買える株のなかには、100株以上保有するとお礼に自社の店舗で使える無料の食事券や買物券をくれる「株主優待株」も。食費を節約したり、たまの外食でぜいたくをしてもいいかもしれません。
●dポイントや楽天ポイントの投資例
ドコモユーザーでdポイントを貯めている人なら、日興フロッギーというNTTドコモとSMBC日興証券が共同で運営する投資サービスが便利。
「こちらは100dポイント(100円分)からと、ポイント数や金額を指定したうえで好きな会社の株に投資できます」
楽天市場をよく利用する人なら、楽天ポイントで投資できる楽天証券。口座開設して、1回500円以上の投資信託をポイントと現金を使って購入すると楽天市場のお買い物でつくポイントが+1倍になります。
「毎月、決まった金額を積み立てる積み立て投資を楽天カードで決済すると、カード決済のポイントが100円につき1ポイント貯まるうれしい特典もあります」
●毎月の定額積み立て投資ならハードルが低い
株価や投資信託の価格は毎日、変動するので、投資したのに損をしてしまうリスクももちろんあります。でも、ポイントや500円、1000円程度の定額資金を毎月積み立て投資すると、損してしまうリスクを軽減する効果があるといいます。
「現在のコロナショックのように株価が下落したときに投資を始めるほうが、株価が高いときに始めるより断然、有利です。さらに毎月、決まった金額を定額積み立て投資に回すと、価格が下落したときにたくさん買えて、価格が高いときにはそんなに買わないですむので、高値づかみ(割高で買ってしまうこと)を防ぐことができます。結果的にいちばん安いときに、いちばんたくさん買うことができるので、その後、株価が上昇すれば大きくもうけることもできます」
●銀行預金の数千倍の株主配当利回りや優待も魅力
株式投資には、株価の値上がり益のほか、会社から「あなたは私の会社のオーナー。会社が稼いだ利益の一部を差し上げます」と、「配当金」をもらえる魅力もあります。
「コロナショックで株価が下落したせいもあり、携帯会社のNTTドコモやソフトバンク、メガバンクの三菱UFJやみずほ、ガソリンスタンドのENEOSなど、だれもが知っている一流企業でも配当金の利回りは4~5%に達しています。これは大手銀行の定期預金の数千倍、金利の高いネット銀行の預金と比較しても数百倍に相当します。ポイントに加えて、節約して貯めたお金の一部だけでも投資に回せば、ラクをしたまま、お金が勝手に働いてお金を生み出す効果に期待できますよ」と永野さん。
株主優待株として人気の高いスーパーのイオンなら、100株以上の株を保有するとお買い物代金の3%から最大7%もキャッシュバックしてくれます。日本マクドナルドの株主になると、こちらも100株の保有で、年に2回、バーガー、サイドメニュー、飲み物が無料になる引換券6枚が優待品としてもらえて、家計にもうれしいことに。
「新型コロナウイルス感染症が収束すれば、日本の中央銀行・日本銀行がお金をどんどん刷って景気を刺激していることもあり、株式市場にスーパーバブルが来ると私は睨んでいます。株価がとても安い今は、お買い物で貯めたポイントを使ってお試し投資する大チャンスといえるでしょう」と語る永野さん。
永野さんの新刊『
金融のプロが教えるコロナ暴落後の必勝投資術』(扶桑社刊)には、少額資金からの定額積み立て投資のお得な始め方がわかりやすく書かれています。この機会にぜひ投資の勉強をしてみませんか。
※投資は元本割れのリスクがあるため、自己責任のうえで投資してください。