子どもが自立すると、子どものものが不要になったり、子どもにお金がかからなくなったりして、家の中は片づけやすく、お金も貯めやすい時期になります。暮らしはコンパクトになって、ムダも省きやすい状況になるものですが、よりよく暮らすためにはどんなことを心がければよいのでしょうか。

コンパクトな住まいに
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子どもが自立したときの「もの」「お金」とのつき合い方

「ものとのつき合い方」につては、日本人のライフスタイルを研究する辰巳渚さんに、「お金とのつき合い方」は、ファイナンシャルプランナーの横山光昭さんに教えてもらいました。

【ものとのつき合い方】
子どもが家を出ることで、ものが減少。住み替えやリフォームの検討も

夫婦2人だけの「小さな暮らし」へと変化するため、ものが減らせる時期。「子どもと一緒だからこそ楽しめていたレジャー用品や調理家電は処分。消耗品が減るスピードも緩やかになるので、日用品のストックも絞りましょう。一方で、子どもがいたからこそ購入した家具や家電は、ちょうどこのころ寿命を迎えることになるので、買い替えの必要も出てきます」。ただし、こうしたものを使うのは夫婦二人だけ。サイズや機能性は必要最小限にとどめ、できるだけ長く使えるものを選びましょう。

また、体力が落ちてくるので、軽くて手入れがラクなものを選ぶのがベターです。シニアに取って暮らしやすいようにリフォームしたり、夫婦で手ごろなサイズのコンパクトな住まいに住み替えたりすることを検討するのもいいでしょう。必要以上に広い住いは、掃除が大変だったり維持費がかかったりと、ムダが生じるものです。

・子どもの自立で増えるもの

住み替え・リフォーム・経年変化による家具や家電など

・子どもの自立で減らしたいもの

子どものもの(学習机、弁当グッズなど)、ホットプレート、レジャーグッズ、食品・日用品のストックなど

子どもグッズや子どもと楽しむものは不要に!

【お金とのつき合い方】
教育費から解放され貯め期に。退職に向けてラストスパート!

子どもにお金がかからなくなり、基本的に出費は減るはずなので、再び貯め期が訪れます。「退職後に資産を増やすのは困難なので、じつは、貯める正念場のとき。夫婦が老後を安心して迎えるには、退職までに2000万円は貯めたいところです」。一方、家のリフォームや家電の買い替えの必要性が生じるのもこの頃です。

・貯蓄の目標:手取りの22%を目標に

増えがちな出費

医療費、リフォーム代、家電費、交際費、こづかいなど

経年変化で家電の買い替えやリフォーム代が発生。体の不調が出てくるほか、増えがちな通院で医療費も増加。旧友と会ったり、新たな趣味を始めたりと交際費も増える傾向が。

【まとめ】老いを意識して、暮らしを小さく

使う際に扱いやすく、整理をしやすくすることを念頭にものの数は減らしていきましょう。「たとえば、食器は5枚ぞろいを2枚に減らせば、重ねずに置くことができて出し入れがラクになりますよね。家電や家具の交換時期ならコンパクトなものに買い替えるのもおすすめです」(辰巳さん)。

家計もダウンサイジングを意識。「子どもが自立すると死亡保障はぐんと減らせるので、改めて必要な保障を検討して!交通機関が充実しているなど、住む地域によっては維持費のかかるクルマを手放してもよいでしょう」(横山さん)。