旅行ジャーナリスト小野アムスデン道子さんが世界中を巡って出合った「名店の味」をレポート。家でも簡単に再現できるレシピをご紹介します。
今回は、おしゃれなブレックファストメニューとして人気の「エッグベネディクト」。週末のブランチに試してみてはいかがですか?

エッグベネディクト
名店のエッグベネディクトのレシピ
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ニューヨークの一流レストラン・デルモニコスのエッグベネディクトのレシピ

エッグ・ベネディクトの発祥地は、諸説があります。
「NYのウォルドルフホテルで株式仲買人が二日酔いを直す一品として注文した」「銀行家でヨット乗りのアメリカ人がつくった」「ウォール街にある、創業1837年の全米一古いディナーレストラン『デルモニコス(DELMONICOS)』のシェフが、さるご夫人の依頼でつくった」など。

街並み

「デルモニコス」のメニューには、「エッグベネディクトはここで生まれた」と書かれています。

1860年代、レストランの常連客であるルグラン・ベネディクト夫人がランチになにか新しいものを食べたいと依頼したところ、シェフであるチャールズ・ランホーファーが思いついたのがエッグ・ベネディクトだそう。

レストラン内装

そのエッグベネディクトがこちら。

斜めからエッグベネディクト

カリッと焼いたイングリシュマフィンに、ジューシーなハムとポーチドエッグの黄身とオランデーズソースが混ざり、リッチな味わいがたまりません。

イクラが添えられていて、高級感とまったりした味わいがさらに加わります。ポイントは、濃厚なオランデーズソース!

●デルモニコスのエッグ・ベネディクト

【材料(3人分)】


・イングリッシュマフィン 3枚
・バター(室温に戻しておく) 適量
・薄切りハム 3枚分
・卵 6個
・酢 10ml
・イクラ 適量(お好みで)
・ブロッコリースプラウト 適量(お好みで)
・オランディーズソースの材料[卵黄1個 バター1/8カップ レモン汁数滴 タバスコソース数滴 ウスターシャーソース数滴(ウスターソースで代用可) 塩コショウ 適量]

【つくり方】

(1) オランディーズソースをつくる。ボウルに卵黄、レモン汁、タバスコソース、ウスターシャーソースを入れ、湯せんしながら倍量になるぐらいまで泡立て器でかき混ぜる。まったりするまで、ゆっくりと泡立てること。電子レンジなどで溶かしたバターを加えて、濃厚になるまでさらにかきまぜる。塩コショウで味つけする。ソースが濃過ぎたら、水を数滴加える。

(2) イングリッシュマフィン3枚を半分に切り、両面が黄金色になるまでトーストしてバターを塗る。

(3) 薄切りハムを、マフィンと同じ大きさに切り(デルモニコスでは豚モモ肉のハムを薄切りにして使用)、フライパンで軽く焼く。

(4) ポーチドエッグをつくる。深めのフライパンに半分ほど水を入れ、酢を加えてゆっくり煮沸し、弱火で煮つめる。卵をゆっくり湯に割り入れ、卵白が固まるまでゆでる(約3分)。穴あきお玉で卵を取り出し、水気をきる。

(5) (2)のマフィンを皿に置き、(3)のハム、(4)のポーチドエッグを重ねて、(1)のオランデーズソースをかける。最後にイクラとブロッコリースプラウトを飾る。

ウェッジサラダ

ちなみに、「デルモニコス」のもう一つのシグニチャーメニューである「ウェッジサラダ」も、ブルーチーズドレッシングにタバスコとウスターシャーソースを数滴入れるそう。濃厚な味のソースやドレッシングを引き締める隠し味のようでした。

コショウをかける男性

ニューヨークの老舗の味、ぜひお試しください。

*このレシピは、1894年に出版されたThe Epicureanという料理本の中で「Eggs a ’la Benedick(Eufa a’ la Benedick)」として掲載されています。