「ものを捨てたいけど、なかなか捨てられない…」だれもが抱くそんな悩みを、「断捨離」を提唱するやましたひでこさんに相談してみました。
「捨てられない」と悩むESSE読者たちと、やましたひでこさんの座談会の様子をお送りします。
あらゆる「捨てられない」悩みに、やましたひでこさんが答えてくれました
●片づけのやる気が続かず、部屋の中がものだらけに…
やましたここに集まった4人の皆さんは、全員子育て真っ最中の、おもに専業主婦の方ね。早速お悩みを聞いていきましょうか。
I私、雑誌の片づけ特集が好きで、読むとやる気が湧いてくるんですが、それが持続できなくて…。最初は“やるぞ!”だったのに翌日は“やらなくちゃ”になって挫折を繰り返しています。
やましたつまり、やりたくないのよね?
Iギクッ(笑)
やました途中でやる気が失せてしまうのは、元々やる気がないってことなの。だからこの場合は、“なぜやる気がないのか”から考えていかないと。じつはこれ、「心の問題」なの。正直、“なぜ私がやらなきゃいけないの?”と思っているでしょう?
I確かに。夫は単身赴任中だし、子どもたちも小さいので、だれも手伝ってくれません。だから、私がやるしかないなって。
●なんのための片づけなのか、あらためて考えましょう
やました ほら、やっぱりね。片づけっていうのは、「やらされ感」があるものなの。たいてい、子どもの頃から“片づけなさい”と言われて仕方なくやってきただけで、だれのため、なんのためのものなのか、よく理解しないままでいるんです。あなたは、みんながやるべきことを1人で背負っている状況だから、“なぜ私ばかり?”と思ってしまう。当然、モチベーションも下がるはずです。
Iだから私、片づけると息苦しくなってしまうんですね。
やました断捨離の考え方は、なによりもまず自分で自分をもてなしてねぎらうというもの。この空間を自分のためにどうつくっていこうかと考えるの。そのために捨てるものもある。だからとてもワクワクします。もちろん障害もあるわよ。自分1人で住んでいるわけではないものね。でも、自分にどんな空間を与えていこうかと思えれば、モチベーションが下がることもないの。“今日はどんな服を着ようかな”ってワクワクするのと同じなんだもの。
Sおしゃれが好きなので、そう言われるとよくわかります!
やましたIさんはプリザーブドフラワーが趣味なのね。作品を部屋のどこに飾ろうか考えるとワクワクしません?
Iはい。でも今は、飾るスペースもなくて…。
やましたこの物置き状態の部屋ならね(笑)。でも、あなたの家は、あなたとあなたのプリザーブドフラワーが主役の舞台なのよ。主役が映える空間をつくってあげなきゃ。
J私、理想のスタイルはハッキリしているんですが、夫や子どものものが多くて、なかなか作業が進まないんです。
やました まず、自分が好きにできる小さな空間を探して。主婦なら、やはりキッチンがいいと思う。“ここは私の空間だから、私自身のために最高に選び抜いた道具だけを使おう”という気持ちをもってね。家の中に1つでもすてきな空間ができれば、それが家族にも伝わっていきますよ。
●譲り合いの気持ちが、自分も相手も変えてくれる
Sなるほど! それでゆくゆくは、夫にも自主的に片づけをしてもらえれば…。
やました 「してもらいたい」って、やわらかく聞こえるけれど、結局は「やらせたい」よね(笑)。でも、相手は自分の期待どおりにはなりませんよ。それよりもいちばんに伝えるべきは、「あなたのことを尊重しています」というメッセージ。「片づけるのはあなたと一緒に、今よりいい空間で過ごしたいからなの」と伝えてくださいね。
Iそういえば、夫はポイントカードの整理が苦手で、カードがよく散らばっていたんです。だからカードケースをプレゼントしたら、ちゃんと整理できるようになり、不要なカードは自主的に捨てていました。
やましたそう! そうやって譲り合っていくの。「させる」んじゃなくてね。
家族と暮らす以上、相手のことを思いやって、まず自分から変わっていきましょうというやましたさん。発売中の
ESSE12月号では、ほかにも“あるある”な読者のお悩み相談が続きます。
ぜひ参考にしてみてください!
※断捨離はやましたひでこさんの商標登録です