いよいよ消費税が10%となり、家計引き締めを意識している家庭も多いのではないでしょうか。
すぐにとりかかれる節約として食費があげられますが、食費節約に苦手意識をもつ人も多いはず。
ここでは「料理が苦手」という節約の達人・かのんこさんが行きついた食費節約のコツを聞きました。
食費節約が苦手な人へ。まずはハードルを下げることが大切
「私は料理が苦手なので、食費節約がいちばんストレスを感じます」と話すのは、節約の達人で、雑誌でも節約術を披露するブロガーのかのんこさん。
「苦手だと、つい総菜や外食に頼りたくなってしまって…。雑誌で紹介されるような食費節約は、料理が苦手な人にはハードルが高い! まずは、毎日自炊できるようになるのが第一歩だと思いました」
そこで、筋金入りの料理嫌いだったかのんこさんが、節約のために自炊に取り組んだ道のりをご紹介します。
(1) ミールキットを利用する
ミールキットとは、料理に使う食材とレシピがセットで届けられるサービス。
献立づくりや買い物の手間を省くことができ、レシピを考えるのが苦手な人や忙しい人に人気です。
「私が使っているミールキットは料理の難易度を選択できるタイプで、簡単なレベルのものを選択すると、食材の下ごしらえがほぼすんだ状態で受け取れます。調理の段取りについて細かく記載があるものが多いので、つくっている途中で迷うこともありません」
かのんこさんは、ミールキットを活用したことによって苦手だった料理の段取りを覚えることができ、調理時間自体がかなり短縮されたそう。
「なかには離乳食に展開できるレシピがついているものもありますし、カフェ風料理などインスタ映えをねらえるコースもあります。自分で献立をたて、食材を買って調理するほうが節約にはなりますが、料理が苦手だと買い物の時点で失敗することも…。まず毎日、スムーズに自炊することに慣れられたのがよかったです」
これも、外食などに頼らなくなる方法の1つですね。
(2) 下ごしらえずみの食品を利用する
料理が苦手な人は、世間でいうところのずぼらレシピでもひと苦労。
「たとえば、魚をさばくなんてもってのほか。そこで、生協の下ごしらえずみ食品がおすすめです。たとえば骨取り済みの魚や、肉があらかじめ個別に冷凍ずみのものなどがあります。冷凍できれば日もちもするので、管理も簡単ですよ」
生協以外にも、すでに処理された状態の食品を扱っているスーパーもありますね。
自宅で手間をかけない方が、料理を続けられそうです。
ほかにも、「ほったらかし調理家電を買う」というのも手かもしれません。
「たとえば電気圧力鍋は、食材と調味料を入れ、スイッチを入れるだけで簡単に煮物をつくることができます。普通につくれば時間のかかるレシピも短時間で味がしっかり染み込みますし、昔ながらの圧力鍋と違って電気を使うので安全に調理可能です。わが家も導入したいと思っています。こうして料理へのハードルを下げきってから、お金のことを考えました」
食費はこう決めた! 苦手だからこその予算立て
●家計簿をつけるとき、食費と外食費の費目を分ける
「料理が苦手な人ほど外食したくなりがちなので、抑止力として外食費の費目をつくることをオススメします」
食費の費目に外食費を入れてしまうと、外食にどれだけ使ったのか把握できなくなります。
どんぶり勘定になる前に、まずは費目を分けましょう。
●食費予算は月単位で決めず、週単位で把握する。
月ごとの予算だけだと、最初の週についつい使いすぎることも。
「食費の固定費(毎月買うお米、酒代など)を算出し、月の食費予算から引いておきます。それから残りを月の週数で割れば、毎週どれだけの食費が使えるのか、イメージが湧くはずです。料理が苦手だと、スーパーの安いものでササっと献立をたてる、というのもひと苦労。気づけば不要な食品を買ってしまうことも。週ごとにお金を管理すれば、予算オーバーがあってもすぐ対処することができます」
食費節約が苦手なら、別の費目でがんばってもいい
このように、苦手な料理に向き合い、どうにか食費を削ってきたかのんこさんですが、苦手なことは苦手と割りきるのも大事と話します。
「どうしても食費がうまく節約できない、という場合には別費目の見直しに着手したり、そもそもの収入を増やして、食費に回せる予算を獲得するという手もあります。食費予算の増額分くらいなら内職など在宅ワークでも稼げますし、苦手分野の節約をむりやりがんばるよりも、収入を増やしてしまうほうが手っ取り早いこともあります」
実際にかのんこさんも、以前は月の食費3.5万円、外食費6千円でやってたそうですが、在宅ワークで収入を増やし、現在は外食費込み月5万円に予算を修正したそう。
「今では毎週外食に行くこともできて、苦手な料理から解放される時間になっています。食費節約が苦手な私は、メディアで公開されている参考の食費金額を見て落ち込みがちでしたが、それでストレスを溜めても仕方ない、と気づいて、あまり気にしないようにもしています。わが家は私と夫と、3歳の娘、0歳の息子という家族構成ですが、とにかく夫がよく食べるので(笑)、平均よりオーバーすることもしばしば。でも、それも家族の個性ですよね」
ひと口に食費といっても、各家庭ごとにさまざまな状況があります。
「そもそも食費は低ければ低い方がいいのか?というと、そうでもありません。食費こそ、自分の家庭の正解を探せばよいかなと思います。まずは料理に向き合って、やれるところまでとことんやったからこそ、わが家の正解にたどり着いた気がします」