100作目の連続テレビ小説『なつぞら』が終了し、毎日見ていたなつたちに会えなくなってロス状態の人が続出中。そんな「なつぞらロス」を癒す、とっておきの“レシピ”があります!
番組の料理監修をされた料理家・住川啓子先生の裏話とともに、レシピをご紹介します。
『なつぞら』のパンケーキのレシピを教えてもらいました!
豪華な出演陣など話題の多かった『なつぞら』ですが、登場人物がつくったり食べたりする料理も、場面に出るたび「食べたい!」「ランチは決まった!」とSNSなどでたくさんの声が上がりました。
なつが泣いた「雪月」のアイスクリーム、雪次郎が「風車」で奮闘したロールケーキ、イッキュウさんがこぼした「川村屋」のバターカリー…。なつたちがあの場面で食べていた「あの料理」を実際に食べられたら、五感で思い出にどっぷりひたれそう!
そんな夢をかなえてくれるのが、住川先生です。住川先生はドラマの料理監修500作以上というプロ中のプロ。
「十勝に取材に行って、当時の北海道では、食卓に出す野菜は越冬野菜を使うことが多かったと聞き、実際に使う場面の前に冷蔵庫でしばらく野菜を“自家越冬”させたり、できるだけその時代の料理に近づけようと考えました」と、徹底的にこだわった住川先生。
もちろん、ドラマ収録中は実際に出演者の方が何度も口にされることを考えて、おいしくて食べやすいこともポイント。住川先生の料理はおいしくて体にいいと定評があり、女優さんから料理監修のご指名が入るほどです。
そこで、番組に登場した料理から、今回は「雪月」で泰樹じいちゃんや小さななつたちがおいしそうに食べていたホットケーキを、家庭でもつくりやすいようなレシピで教えていただきます。
●雪之助の職人魂が生んだホットケーキ
【材料(約3枚分)】
・A[薄力粉100g 小麦ふすま粉80g ベーキングパウダー8g]
・卵 1個
・てんさい糖(または砂糖) 25g
・牛乳 170ml
・バニラエッセンス 少し
・B[てんさい糖または砂糖50g 熱湯50ml はちみつ50g]
・バター 適量
*ふすま粉はなければ全粒粉を使用
【下準備】
Aはあわせてふるう
Bのてんさい糖に分量の熱湯を入れて溶かし、はちみつを加えてシロップをつくる
【つくり方】
(1) ボウルに卵を割り入れ、てんさい糖、牛乳を加えて泡立て器でよく混ぜる。
(2) (1)にふるっておいたAを加えて泡立て器でさっくりと混ぜ、バニラエッセンスも加えて混ぜる。
(3) フッ素樹脂加工のフライパンを中火で熱し、火からおろして(2)のお玉1杯分を中央に流し入れる。弱火にかけ、生地の表面の泡が消え始めたら上下を返し、1分ほど焼く。残りも同様に焼く。
(4) 器に(3)を盛り、バターをのせ、シロップをかける。
「戦後間もない菓子店では、小麦粉などの材料が入手しにくかったということで、代用品としてふすま粉を加えてつくる設定にしました」と住川先生。
ふすま粉は食物繊維やミネラル、ビタミンが豊富で健康的なのもうれしい! ふすま粉は水分をよく吸うので、レシピでは牛乳が多めです。全粒粉を使ったり、小麦粉を多めにしてもおいしくできます。また、粉の状態も温度や湿度で変わってくるので、水分の量は状態を見て調整してください。
ふんわりして栄養が詰まった生地に、手づくりバターとシロップをかければ、テレビと同じ絶品ホットケーキ! まるで雪月にいる気分?! 実際に、収録が終わった後も俳優さんたちが食べ続けて完食。住川先生の料理は本当においしいと評判だったそうです。
ジャガバター、ミルク鍋、天丼、バターカリーなどのレシピを掲載
これ以外にも『なつぞら』で出てきたおいしいレシピを集めたのが、『なつぞら なつが食べてたおいしいレシピ』(扶桑社刊)。料理の写真はもちろん、その料理が登場した場面写真や思い出のシーン、なつや天陽、イッキュウさん、咲太郎、雪次郎、照男兄ちゃんなどの写真もたくさん! この本を見ながら、料理をつくって、食べて、『なつぞら』気分にひたってみませんか。もちろん、見ているだけでもロスがいやされる1冊です!