毎月、ESSEの誌面にはさまざまな料理家さんが登場します。撮影のたびにお邪魔する料理家さんの台所には多くの調味料や道具が並んでいるのに、じつに動きやすく工夫が凝らしてあり、感銘を受ける編集は数知れず。
そこで料理家の台所で見つけた、ぜひマネをしたい収納の工夫をご紹介します。
料理教室「白崎茶会」の舞台裏、白崎裕子さんの台所
すべての画像を見る(全8枚)ESSEでの新連載も大人気の白崎裕子さん。
神奈川県葉山町にある海辺の古民家で、料理教室「白崎茶会」を開催しています。生徒さんも実習を行うので、道具や器はかなりの量。それでも美しく整った、すっきりシンプルな空間に見えるのはなぜなのでしょう。
●収納力のあるスチールラックに食器を
白崎さんはたくさんある食器を2台のスチールラックに収納。
「メーカー違いを買いたしても問題なくなじむので、白磁やガラスの器を選ぶようにしています」
また、スチールラックには気軽に収納をたせる利点も。
「フックでワイヤーのカゴを取りつけて、木製品の乾燥用に。日当たりがよいのですぐ乾きます」
●イケアのワゴンやS字フックで、だれもが迷わない収納に
多くの人が出入りする白崎さんの台所では、収納はわかりやすく、だれもが元に戻せるよう「一目瞭然」であることが大切。
たくさんある包丁はイケアのワゴンにまとめて、カウンター下に。ブリキの工具入れを組み合わせ、出し入れもしやすいよう工夫が凝らされています。
あとから入れたコンロの前にはS字フックでフライパンを収納。自作の棚の下、壁づけにしたレールなど、ほかにもたくさんのS字フックでつり下げ収納をたし、わかりやすく、取り出しやすい収納をかなえていました。
世界じゅうで集めた道具や器がぎっしりつまった、口尾麻美さんの台所
旅好きの料理家として知られる口尾麻美さん。3LDKをワンルームにリノベーションしたマンションの台所には、15年かけて集めたという世界各国の道具や器、調味料など食材がぎっしりと並んでいます。
「使い勝手よりも楽しさを優先している」と言いますが、限られた空間には使いやすく収めるための工夫があちこちに。なかでもカゴは、ざっくりと収納するのにうってつけだとか。
●お店のディスプレイを収納アイデアに生かす
器をたくさんもっている口尾さん。小さな器が増えてきたときに、お店のディスプレイを見てカゴにざっくりと収めることをひらめいたそう。
「お店で無造作にものがカゴに入れられているのを見て、マネしました。ボウルや小さな器だけでなく、バラけやすい缶詰などもざっくりまとめています」
●ゴマや乾物はビンやペットボトルへ
パッケージが目にうるさい乾物は、クマの形をしたビンやボトルにつめ替え。
「韓国でゴマをペットボトルにつめ替えて使っているのを見て、使いやすそうだなと思ってマネしました。いちいち袋を開ける手間もなく、多めに買ってストックもできます」
クマの形の入れ物は、なんとなく集めているうちに、あちこちで探すようになったのだとか。
「意外と世界各国でいろいろなクマを見つけられるので、最近では新しいクマボトルを探すのが旅の裏テーマです」
料理家さんの台所は、おしゃれなだけでなく、料理中にストレスを感じない工夫であふれていました。
本日発売の別冊エッセ
『暮らしを楽しむ、台所。』では、白崎さん、口尾さんに加えて計14組の台所を取材しています。
収納の工夫だけでなく、日々を支えるレシピや、お気に入りの器や道具もご紹介していますので、ぜひご覧ください。