ホームパーティの機会が増える時季。訪れる人のだれもがくつろいで、おいしい料理を囲める、そんな台所は憧れです。
ここでは料理教室やホームパーティで人が多く集まる、料理家・小堀紀代美さんの台所を取材。すてきな台所づくりの秘訣を聞きました。
小堀紀代美さんの台所。収納は自分の性格に合ったルールで長続き
●片づけのルールはゆるく。がんばり過ぎない収納を
料理研究家という仕事柄、道具や器は少なくありません。それでも洗練されて見えるのは、ゆるくルールを決めているから。
せいろやカゴなどよく使うものや、トースター、コーヒーメーカーなどの家電は、冷蔵庫の陰で見えないコーナーにまとめています。
つり戸棚には器を。白い器、色柄もの、和食器と、テイストで分類。片づけは苦手なので、続けられるようルールはざっくりに。
●昔から集めているこだわりのキッチン雑貨
見かけるとつい買ってしまう、という木製のヘラやスプーン。色んな形があり、素材の風合いや質感は見ているだけで楽しい!
インテリアとしても楽しんでいるというアンティ・ヌルメスニエミのポットは、15年ほど前に集めたもの。バランスを見て飾っています。
本棚の引き出しには、長年かけて集めたカトラリーやティーカップがぎっしり! リビングでお茶を飲むとき、ゲストと一緒に選ぶこともあります。
たっぷりストックしているLIBECOのリネンクロス。85cm四方と大判なので、洗った器をふいてもびしょびしょにならず、使い勝手抜群です。
●世界で食べ歩きをして出合った「おいしい記憶」を再現
スパイスの組み合わせを見つけるのが好きという小堀さん。コリアンダー、クミン、ゴマ、ミックスナッツをいり、オレガノと塩、コショウを加えてフードプロセッサーで攪拌した“スパイスナッツ”は、どんな素材にも合う魔法の粉で、ご飯にかけてもおいしいそう。
創作料理・ナスのソテーは、まずナスをオリーブオイルで焼きつけて、塩、コショウ、レモン汁で下味を。
焼きつけたナスにスパイスナッツをかけたら、レモンの皮を削って、仕上げ。
「このおろし器はチーズも削れ、毎日使うくらい活躍中!」
別冊エッセ
『暮らしを楽しむ、台所。』では、小堀さんをはじめ、料理家の白崎裕子さん、桑原奈津子さんなど、計14組の台所を取材しています。
収納の工夫だけでなく、日々を支えるレシピや、お気に入りの器や道具もご紹介していますので、ぜひご覧ください。
●教えてくれた人 【小堀紀代美さん】
料理教室「LIKELIKEKITCHEN」を主宰。実家の洋菓子店をルーツとし、旅で出合った味をヒントにオリジナルレシピを考案。近著に『予約のとれない料理教室 ライクライクキッチン「おいしい!」の作り方』(主婦の友社刊)