手頃な価格で中古マンションを買って、自分好みにリノベーション。そんな暮らし方が今、注目を集めています。「最近は家族でくつろぐのはリビングよりもキッチン&ダイニングで、というお宅が増えています。家族とコミュニケーションしやすいスタイルのキッチンが人気ですね」。そう話すのはリノベーション専門誌『リライフプラス』の編集に携わる君島喜美子さん。取材でもよく目にするというトレンドのキッチンを紹介していただきました。

リノベーションで理想のキッチンを手に!トレンドは会話のしやすさ

●つり戸棚をつけずに「見せる収納」でセンスよく

つり戸棚をつけずに「見せる収納」でセンスよく
【最新リノベーション事情】キッチンは見せる収納がトレンドに!
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約52平米とコンパクトなマンションをリノベーションしていますが、実際の面積以上に広く感じられたというこちらのお宅。「つり戸棚やダイニングとの間仕切り壁をつくらず、オープンスタイルにしていることがポイントだと思います。棚の代わりにコンランショップで購入したバスケットやイケアのオープンタイプの棚を棚に取りつけているのもおしゃれですね」(君島さん)。キッチンの壁にタイルを取り入れるのもトレンドなのだそう。「白いタイルと黒い目地の組み合わせがシックな雰囲気。目地の色によっても大きく印象が変わります」。

●シンプルなステンレスキッチンを楽しくカスタマイズ

シンプルなステンレスキッチンを楽しくカスタマイズ

68平米の2階建てから37平米の平屋に引っ越すにあたり、壮大な片づけをしたお宅です。キッチンは以前の住まいから移設したもの。「キャスターつきのワゴンと組み合わせるなど、シンプルなキッチンをうまく使いこなしていますね。つくり込まず、シンプルなキッチンを自分らしくカスタマイズするのもトレンドです。壁に取りつけられた印象的なラックはインディアン・キッチンラック。無骨さとペコペコ感が同居した独特の魅力で人気があり、取材先でも時々見かけます。大皿などを立てて収納できるので便利だそうですよ」。ミネラルウォーターのあき容器をディスプレイしているのもかわいいですね。

●約1万円で!DIYでリメイク

約1万円で!DIYでリメイク

昭和45年築の団地を、手先の器用なご主人がほぼDIYでリノベーションしたお宅。「予算の都合でキッチンは交換していませんが、上下の収納扉にカッティングシートをはって明るい印象にリメイクしています。男性とは思えないガーリーなデザインですよね(笑)。取っ手に100均の麻ひもを巻きつけるなど、ディテールにもこだわっています。カフェのようなこうしたテイストは、トレンドというよりスタンダードになりつつあります」。手前のカウンターもカラーボックスと合板を組み合わせてご主人がDIYで製作。掛かった費用はなんと1万円以下だそうです。

●モルタルのカウンターでラフな雰囲気に

モルタルのカウンターでラフな雰囲気に

築41年の中古一戸建てをリノベーション。1階は既存の梁や柱をあらわしにして開放的なワンルーム空間に。「キッチンカウンターはモルタル、壁には通常下地に使われることの多い木毛セメント板を使っています。木との相性もよく、ざっくりとしたラフな感じが今っぽいですね」。キッチン本体はシンプルなシステムキッチンですが、背面に業務用のステンレス製の棚やオープン棚を取りつけて収納スペースを確保しています。「モルタルや木でカウンターをつくったり、好みの収納をプラスすることで自分らしいキッチンを実現できるのがリノベーションの醍醐味ですね」。

いかがでしたか? オープンなキッチンは、家族に手伝ってもらいやすいうえ、会話しながら作業できるのも嬉しいところ。ひと口にキッチンといってもさまざまなタイプ、組み合わせがあります。まずはいろんなお宅のキッチンを見て、イメージを膨らませるところから始めてみませんか。今回紹介したお宅は『

リライフプラスvol.25

』にも掲載されています。