夏の旅行シーズンです。出発前にいつも頭を悩ませるのが荷造り。ものをつめこみすぎてスーツケースがパンパンになってしまったり、現地に着いてから「あれがない!」と困ってしまったり…。

しかし旅慣れた人ほど、小さなスーツケースで身軽に移動するもの。「10日間の旅でも機内持ち込みサイズのスーツケースです」と話すのは、トラベルライターの小野アムスデン道子さん。
ここでは東京とアメリカ・ポートランドを往復しつつ、世界中を旅する小野さんに、過不足ないパッキングのコツを教えてもらいました。

旅行の達人が教える旅支度のコツ。100円グッズも活用します

私が愛用するスーツケースは、機内持ち込みの最大サイズ55cm×35cm×23cm(航空会社によって多少差があります)。乗り継ぎ時間が1時間ほどとタイトなときもあるので、持ち込みできるサイズが便利だからです。

スーツケース内をパッキングした様子
コンパクトにパッキングするコツ
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10日間の旅でもこのサイズのスーツケースで。そのためには、コンパクトなパッキングが必須となります。

●コンパクトな荷造りは100円の洗濯ネットで

私が重宝しているのは、100均の洗濯ネット。約30cm四方のものを2枚使い、ビジネス用の少々あらたまった服と、カジュアル(スポーツウェアなど)服に仕分けてパッキングしています。

スーツケースにこの2つを入れると、間にちょっとしたスペースができます。ここは、お土産で買ったワインやビンものを収納するのにベスト。

割れにくくするコツは、まず下にクッションになるやわらかい服を敷きます。その上に、ビニール袋に入れて口を結び、もし割れてシミがついても大丈夫な服などで巻いたビンを置き、さらに2つの洗濯ネットで挟んでビンが動かないようにつめること。
この方法で、今までビンが割れるなどの失敗をしたことはありません。

洗濯ネットで服をパッキングした様子

旅にはついたくさん衣服をもっていきたくなりますが、洗濯ネットを使うことで、「この袋がいっぱいになるだけ」と上限がわかります。

仕分け用の袋やポーチは、スキンケアアイテムやコスメ、変圧器やチャージャー類などの収納にも使えます。お気に入りのサイズを見つけたら、柄違いで買っておくと、きれいにスーツケース内に収まります。

●旅のコーディネートのコツ。必携は水着

とくに女性が悩みがちなのが、もっていく洋服。「せっかくの旅行だしおしゃれしたい、でもたくさんもっていくのは面倒…」とあれこれ迷いますよね。

おすすめは、旅行で基調となるテーマカラーを決めること。今回はモダンであらたまった場所が多いからモノトーン調とか、自然いっぱいの場所だからブラウンを中心にとか、テーマカラーが決まると服をそろえやすくなります。

モノトーン調コーディネート

私は着まわしの効くセットアップをもっていくことが多いのですが、格の高いレストランに行くことを想定したドレスアップ用の服も1つは必ずスーツケースに入れます。一見ロングスカートにも見えるぐらいの黒の極太パンツのセットアップまたは、大柄で華やかなワンピースの2パターンが私の基本です。

忘れてはいけないのは水着。いざ現地で泳ぎたくなっても、レンタル水着はほとんどありません。

それになんといっても水泳は時差ボケに効きます。できるだけ現地時間で行動する、太陽の光を浴びる、スポーツをするなどでリズムを取り戻すのが時差ボケ対策の基本。アウトドアのプールで泳げば一石二鳥です。

●ファッションのアクセントと実用を兼ねた小物

3種類のバッグの様子

水着以外に必ずスーツケ―スに入れているのは、薄くて軽いトート型バッグ(パソコンが入る大きさ)、おしゃれ用の華やかな布バッグ(カメラとノートはいつも持ち歩くので収納力のある布製)、そしてエコバッグ。この3つがあれば、だいたいのシーンはカバーできます。

ストールも1枚。行き先によって、ウールの温かいものかコットンかに変えています。機内で寒いときに首回りに巻くとかなり助かるので、こちらは手荷物に。

中折れ帽子

帽子は日よけに用にツバがあり、たたんでも形が戻りやすいものを。私は中折れ帽子が好きで、いろいろとコレクションしています。

ファッションのアクセントになるうえ、旅先でグループから離れてしまったときでも見つけてもらいやすいという効果も。

次の旅行はぜひ、身軽な荷物で楽しんでみてください。