年老いた両親・義両親の家を整理するのは、自分自身の片づけよりもはるかに心労が多いもの。50代・夫婦ふたり暮らしで、ミニマムですっきりとした暮らしのコツを発信するブロガー・やまだめがねさんも、まさに義実家の片づけに奮闘中。実際に経験した人しか分からない苦労のリアルを、詳しく話していただきました。
すべての画像を見る(全4枚)「いる」「いらない」を自己判断できないのがつらい
やまださんは8年ほど前から、夫の実家の片づけに着手し始めました。
「夫の両親はともに健在ですが、本格的に介護が必要になる前にきれいにしようと夫や親戚と話し合いました」(やまださん、以下同)
でも義父母の家の敷地内には母屋もあって、どこもかしこもものだらけ。
「魔窟になっている部屋がいくつもあります。連休や週末で少しずつ処分し、8年かけてあとひと息というところまで来ました」
ものがいっぱいつまった押入れや戸棚を空っぽにし、ひとつずつチェックしていく。その繰り返しです。
いらないものを運び出すまでにも、いくつもの障がいがあったとやまださんは言います。
「押入れから出したものを床一面に広げても、たいてい義母は『捨てるものはなにもない』と言います。明らかに使っていなくても、ものが多すぎると感じても、ここは義母のテリトリー。どんなに小さなものでも勝手には捨てられません…」
義実家の片付けでラクだったもの、大変だったもの
サクサク捨てられたのは、明らかにゴミだと判断できるもの。
「十数年前に在宅介護をしていた義祖母の下着や、じっとりと湿った寝具なども出てきてびっくりしました。でもこうしたものは、なにも考えずにゴミ袋に入れればよいので逆にラクだったかもしれません」
難しいと感じたのは、義父母も「もう捨てていい」とは言うものの、どうやって処分していいのか見当もつかないものたち。
「たとえば、義父が趣味であつめていた岩・石・砂。普通ごみとして出すわけにもいかないし、大量だから自然にかえる場所に捨てるわけにもいきません」
大型のガラス板も悩んだもののひとつ。
「厚くて重たい1枚ガラスは昔営んでいた家業で使用していたようです。夫婦ふたりで運び出し、ガラスカッターで小さく分解してからゴミに出しました。畳をはがして運び出したときも感じましたが、実家片づけは体力勝負。まだ体が動く40代、50代のうちに進められて本当によかったと感じています」