築古物件の「古さ」を払拭するには、リノベかリフォームしかない…? そんなことはありません。「古くても、ちょっとしたDIYで見違えるほどすてきに見えるものですよ」と話すのは、建築カラープランナーの野村恭子さん。築43年の団地を自分でアップデートしてきた野村さんの、簡単DIYテクニックをお届けします。今回はシステムキッチンです。
すべての画像を見る(全7枚)古く見える原因は、キャビネットのパネル
野村さんは建築カラープランナーとして活動する、インテリアのプロ。その知識と経験を生かし、築43年の団地を自分自身の手で少しずつ、すてきな空間につくり変えています。
「キッチンは、この団地に入居する際にリフォーム。古いキッチンからシステムキッチンに変えましたが、雰囲気を変えたくてDIYすることにしました」
野村さん曰く、キッチンの印象を決めるのはキャビネットについているフロントパネル。これが古かったり安っぽく見えると、おしゃれとは程遠い印象に。壁づけのキッチンならリビングダイニングからよく見えるので、なおさら目立ちます。
「キッチンを丸ごと取り替えるリフォームをしなくてもOK。キャビネットだけ変えればいいんです」
ホームセンターのベニヤ板をベースに製作
野村さん宅のキッチン、こちらがDIY後の様子です。
ニュアンスグレーに変わり、モールディングまでついてスタイリッシュな雰囲気に変わりました。
「これ、じつはベニヤ板を表面にはっただけなんです。ホームセンターで板を購入し、パネルのサイズに合わせてカット。それにモールディングをつけました」
ベニヤ板のカットはホームセンターにお任せ。サイズを指定すれば切ってくれます。モールディングは、枠のようなデザインのこと。こちらも専用の木材をホームセンターで購入し、カットは自分で行ったそうです。
「モールディングは、家具などをおしゃれに装飾するのに便利なテクニック。マイターボックスという、ななめ45度にカットできる機器を使います」
ニュアンスのある色のほうが、より素敵に仕上がる
ベニヤ板にモールディングを接着したら(木工用ボンドでOK)、次は好きな色にペイントしていきます。選びのポイントは、室内用の水性塗料を選ぶことと、ニュアンスカラーを選ぶこと。
「屋外用の塗料は耐久性が優先されるため、人体に有害な成分を含んでいる可能性もあります。健康面を考えると、室内用を選ぶほうが安心です。色は家のインテリアに合うことが大前提ですが、パキッとしていてビビッドな色より、ちょっとくすんだような中間色がおすすめ」
マステ+両面テープではりつければ、現状回復も可能
ペイントが終わったら、いよいよはりつけ作業へ。
「使うのはマステと両面テープです。ペンキがはがれたり、また色を変えたくなったりするかもしれないからです。わが家は分譲ですが、これなら賃貸物件でも気軽にキッチンをイメチェンできるのでは?」
モールディングのカットや板のはりつけに少し時間はかかりますが、作業自体はそれほど難しくないそうです。
「材料費は、1万5000円程度。決して安くはないけれど、リフォームすることを考えると断然リーズナブルですよね。切ってはるだけで簡単だから、みなさんにもぜひ試してほしいです」