産婦人科専門医の高尾美穂先生が読者からの「おりものの量が増えた」というお悩みを解決します。医師からも説明がしずらい存在であるというおりものの正体と、量よりも気をつけて見るべきポイントを紹介します。
すべての画像を見る(全3枚)読者のお悩み:「おりもの」が増えて不快。更年期以降はどうなるの?
生理の1週間後、透明のドロッとした「おりもの」が増えます。おりものシートを使用していますが、多い日は1日に2~3回替えるほど。蒸れや湿った感じが不快です…。閉経後もずっと続くのですか? (Oさん・51歳)
高尾先生の回答:おりものの色とにおいに異変があったら注意して
「おりもの」とは、子宮や腟、汗腺などから出てくる少し粘度のある液体のことです。すぐれた自浄作用で腟内の雑菌が体内に入らないよう食い止めてくれるなどの働きがあります。ただ、このおりもの、医師からしても説明がしづらい存在。私たちの汗が日によってサラサラしたりベトベトしたりするように、おりものの量や状態も、年齢や生理周期、ホルモンバランス、体調によって変化するからです。
更年期は女性ホルモン(エストロゲン)のアップダウンが激しい時期。ホルモンバランスの影響を受けておりものも変化します。おそらく相談者さんは更年期の女性ホルモンの変動により、一時的におりものが増えたのでしょう。もちろんこれにも個人差があり、相談者さんのように増える方もいれば、逆に減る方もいます。また、性交渉後は腟の自浄作用が働くので一時的に増えることも珍しくありません。