冬場は浴室内が寒くて、お風呂に入ることがつらくなることはありませんか? お風呂の換気扇をつけるとさらに寒くなるということで、換気扇をつけることを躊躇してしまう人もいるかもしれません。でも、果たして換気をせずに入浴をしていいものなのでしょうか? 家づくりや換気に詳しい、住環境アドバイザーの上郡清政さんにお話を伺いました。
すべての画像を見る(全3枚)疑問1:換気扇を回さず入浴するのはNG?
冬場は換気扇をつけて浴室に入ると寒いと感じる人もいるのではないでしょうか? 仮に換気扇を回さずに入浴した場合はどんなリスクがあるのでしょうか?
「入浴の際は換気扇をしっかり回すのが鉄則です。浴室は小さな空間、入浴すれば体が温まり、新陳代謝もよくなります。すると、自然と呼吸回数も増えてきます。換気扇を止めたまま長時間入浴した場合、“のぼせ”の原因になりやすいのです。近年の家は高気密高断熱住宅がほとんど。浴室も隙間の少ない空間なので、換気が必要になります」
冬場、換気扇を回すと寒い…その場合はどうしたらいいでしょうか?
「私がおすすめしている高気密高断熱住宅に住まれている方には、浴室換気を“弱”にして入浴していただきます。私自身も20年以上、そのように心がけています」
体の安全のためにも、浴室の換気扇は、必ずつけて入浴しましょう!
疑問2:浴室の換気扇は24時間つけっぱなしにしてもいい?
浴室の換気扇を24時間つけっぱなしにしている人もいるのではないでしょうか? ただ、ずっと稼働したままだと電気代がかかりそうで心配ですよね…。
「設備の仕様や機器によって異なるので、まずはご自宅の換気扇が24時間使用を推奨されているものかを確認することが必要です。もし使えるものであれば、『弱モード』にすれば、多少の消費電力は抑えられるでしょう。
なぜ、浴室換気を24時間稼働させる必要があるかというと、これは家全体の換気を行うためです。そうすることで、室内の温度を一定に保って快適に過ごせ、新鮮な空気を取り込み、健康状態にもいいからです」
多少の電気代はかかったとしても、家を快適な状態にできるという点ではメリットのほうが大きいのではないでしょうか。
疑問3:浴室暖房をつけながら入浴してもいい?
浴室内を暖める暖房機能がついている家もあるでしょう。この場合、つけながら入浴しても問題ないのでしょうか?
「こちらも、入浴中に付けていい設備であることを確認したうえで、つけてください。寒い場合は我慢せず使いましょう。ただし、入浴後は換気扇をONにすることを忘れずに。こうすることで、洗面所の鏡が真っ白になることも防ぐことができ、カビ防止にもなります。『浴室を乾かす』ことがなにより肝心ですから」