老後資金のマネープランを考えるためには、まずは大きくかかりそうな部分から考えておきたいもの。とくに「住まい」の部分は、これからかかる見とおしを立てることで漠然とした不安は解消されるはず。住まいのお金専門であるファイナンシャルプランナーの有田美津子さんにポイントを教えてもらいました。
すべての画像を見る(全2枚)金額が大きくなる住居費用。よ~く考えてから選択を
子どもが独立し、広い家をもて余すようになったり、戸建ての庭木の世話が大変になったり。老後になると、住まい方も変わります。
住まいのお金専門のFP・有田美津子さんによると、「安全に健康で過ごせるかと利便性が住み替えのポイント」だそう。
「リフォームも選択肢ですが、大規模になると住み替えと変わらない額になります。ライフプランは変わるものですが、この先、何年住むのかなど、さまざまな可能性を考慮して決めましょう」
相続も関係してきますので、子どもがいる方はしっかり相談を。
住まいにかかる費用
住まいにかかる費用はこちら。
●高齢者住宅
60歳以上の元気な人が入れるのが住宅型有料老人ホームやサービスつき高齢者向け住宅など。ハウスメーカーが運営する高齢者向け賃貸住宅が増加中。費用は月額数十万円の施設も
□入居金などの初期費用
□毎月の利用料
□引っ越し費用
●賃貸住宅
現在の賃貸住宅に住み続けるなら費用負担は家賃と更新料程度。ただし、高齢になると賃貸物件が借りにくくなる。賃貸住宅の建て替えの立ち退きなど、想定外のリスクも
□家賃
□更新料
□住み替え時の費用
●持ち家(マンションなど)
利便性が高い場所であれば、マンションは老後も住み続けやすい住まい。注意が必要なのが修繕積立金。将来的に負担が増える段階増額積立方式の場合、老後生活でも支払い可能か確認を。
□ローンの返済
□リフォーム、メンテナンス費用
□固定資産税
□管理費、修繕積立金
●持ち家(戸建て)
ローンの返済が終っていれば、決まってかかる費用は固定資産税くらい。ただし、家も経年劣化する。屋根や外壁のメンテナンスや設備の買い替えなどの費用は想定しておく必要あり。
□ローンの返済
□リフォーム
□メンテナンス費用
□固定資産税
フルリフォームで3000万円!?上昇続く、リフォーム価格
人手不足や資材の高騰でリフォーム価格は上昇中。
「たとえば、水まわりなど設備の交換に加え断熱性を上げたいというとき、窓だけでなく床や壁をはがして、床材に断熱材を入れるなど構造部分にまで手を入れると、1000万~2000万円はすぐにかかってしまいます」(有田さん)
シニアでも住みやすい家をとフルリフォームをすれば、3000万円超というケースも。
「それだけのコストをかける価値があるか、住宅診断士の方に診断してもらうことをおすすめします」
発売中の『これからの暮らし by ESSE vol.9』巻頭特集は「老後とプレ老後の“幸せ”お金計画」。ほかにも、ローストビーフ&チャーシューが主役の「和洋中おせち」、家事えもん式「福を呼ぶ!7days大掃除」、柳沢小実さんが実践「大人のごほうび旅のすすめ」など、これからの季節に読みたい特集が満載です