50代のうちにものを減らしたほうがいい理由
なぜこれほどまでに物量にこだわるのか。
それは老後を考えると、50代のうちにものを減らしておいたほうがいいから。年を重ねるほどに体力は衰え、大きな片づけは負担になっていきます。しかも、50代に入ると、そろそろ親の介護も始まる時期。自宅だけではく、実家の管理や後じまいについても考えなくてはいけない時期に入ってくるので、できるところから片づけておいて、老後の心配をなるべく減らしておいたほうがいいという思いがあります。
私自身、実家じまいをした経験から、“どんな高価なものも、使わなければゴミ同然“、“高齢になれば、ものに対する判断力が低下する”、“持ち物は資産ではなく負債”だということを痛感しました。持ち主にとっては価値のあるものでも、他人から見ればガラクタ同然。
あなたにも次のような「手放せない理由」のものがありますか。
“高かったから”、“まだ使えるから”、“子どもにあげたい”、“万が一のために”、”思い出の品だから”、“贈られたものだから”…。
よく考えてみてください。それらはあなたの未来を豊かにしてくれますか? ものを見直す中で、もっとも捨てづらいものが「思い出の品」でしょう。実家にも、私たち幼少期の作文や工作などがどっさりありました。
すべての画像を見る(全3枚)かくいう私も、3人の子どもの思い出の品はとってあります。これを次に見るときは、私の遺品整理のときでしょう。そのときに処分しやすいように、思い出の品をそれぞれ1台のコンテナに分けてまとめました。思い出は大切ですが、その品物が未来で必要になることはほとんどないと言っていいでしょう。過去にとらわれない、未来を不安がらない、今を生きていく。これが、暮らしの基本ではないかと思います。
中道あんさんの新刊『先細らない老後のために、50代のうちにすべきこと』(扶桑社刊)は、発売中。