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画廊と美術館での学芸員経験をもち、現在は美術エッセイストとして活躍中の小笠原洋子さんは、高齢者向けの3DK団地でひとり暮らし。お金を極力使わないケチな生き方=「ケチカロジー」という言葉を生み出し著書も上梓している小笠原さんは、極力ものを持たないように暮らしています。今回は、旅行の荷物について教えてもらいました。

※ 記事の初出は2023年10月。年齢など内容は執筆時の状況です。

小笠原洋子さん
小笠原洋子さん
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持たない人の秋冬の「旅の荷物」を減らすコツ

秋になり旅行シーズンです。キャリーケースを手に空港ロビーを行き交う人が増えましたね。でも、私はじつを言うと、私はあのケースをもっていません。

50代で9回ほど、画家の足跡を訪ねてドイツを旅したことがあり、その際に『フリードリヒへの旅』を著しましたが、旅が1か月に及んだときも、高さ60×幅40×マチ30cmのバックパックで十分まかなえました。載積量は10kgほどでした。

20年前
20年前の旅路

このように、持たないことを意識してきた私は、旅の荷物に関しても、極力最小限にしています。とはいえ、衣類の少ない夏場はいいでしょうが、中身で最もかさばるのは、冬場の衣類です。今回は、秋の旅に向けて参考になるように、紹介していきます。

●衣類を最小限にして、やりくりする

着替え

往復時に着用する以外の、バッグに入っている私の着替えは、保温性の高い素材のタートルセーター2枚に薄手の一組と、ウールのスラックス1本のみです。なるべく汚さないように扱うのがコツです。以下のように工夫するのも手です。

(1) 上下とも、毎日交互に着る。脱いだら裏返して、チェックアウトの際にリュックに詰めるまではハンガーにかけておく。

(2) 直接肌に当たる首などは、メッシュなど極薄のタートルアンダーウエアを下に重ねる。寒い季節はさらに肌着などのヒートテックを余分にもつ。

(3) ホテルなどで毎日肌着を洗濯をする。必ず寝る前に洗い、浴室乾燥で朝までに乾くようにセットする。足りなければ朝、ドライヤーなどで乾かしてカバンに戻す。

こうすることで、最小限の衣類でやりくりが可能になります。

●かさばるものも上手に収納してコンパクトに

よりコンパクトにリュックに収納するコツもいくつかご紹介します。

<服は風呂敷で包む>

風呂敷

衣類一式は、このように風呂敷に包んで安全ピンでとめて入れると、かさばらずに出し入れもラクです。おまけに着替えもしやすいです。

また、肌着や靴下などの小物類は、カバンの隅などを埋めるように入れます。外ポケットを有効利用してもよさそうです。また、ホカロンやポケットティッシュなど複数あるものは、まとめずにリュックの空き地を埋めるように収めます。

<小物は小さいものを選び保存袋に>

ビニール袋

洗面具、化粧品、洗剤、薬などは、小容器やスライドチャックつきの極小ビニール袋に移し替え、さらにポーチの代わりにひとつのビニール袋に収めます。ヘアブラシや歯磨きチューブはなるべく小さいものに。かなりコンパクトになります。

きっと皆さんはほかにもいろいろお持ちになるのでしょうが、私はこの程度で困ったことはありませんでした。