子供の勉強と片づけには深い関係があります。「片づけの習慣がないと部屋の中はいつも乱雑になり、勉強に集中できません。集中できないと成績が下がってしまいます」というのは、全国230か所以上、世界17の国と地域で、0歳から子供の能力を伸ばす「七田式教室」を運営する七田厚先生。幼児教育の大切さと、片づけが勉強に与える影響について伺いました。
すべての画像を見る(全5枚)心の子育てこそが、子育ての本質
子育てにおいて「子供は自由がいちばん!」「小さい子供は勉強なんかしないで、のびのび遊ばせるべきだ!」と考えている人は多いかもしれません。
「もちろん『遊び』は大切です。しかし、『のびのび遊ばせる』ということが『子供を好き勝手に遊ばせる』という意味だとするなら、それはかなりもったいないことだと思います」
そう話す七田厚先生。著書『七田式 知らないとアブナイ! 目からウロコの子育て教訓28』では、「心の子育て」という観点に立った子育ての考え方を明かしています。
「心の子育てをせずに、知的な能力だけを育てようとしては、子育ては決してうまくいきません。心の子育てこそが、子育ての本質なのです」
早期教育の大切さは科学的にも証明されている
「まず、知っておいていただきたいのは、子供はみな、優れた潜在能力を持って生まれてくるということです。それを活かせる子とそうでない子がいるのは、それを引き出す刺激や教育に違いがあるから。しかもそれができるのは、幼児期だけなんです。
幼児期というのは0~6歳の時期。年齢が上がるにつれて、その可能性はだんだん失われていきます。ですから、早く働きかけを始めるほど、もって生まれた素質を大きく、しかもラクに伸ばしてあげることができるんです」(七田先生)
早期教育の大切さは科学的にも証明されているといいます。
「それを発見した、アメリカ・ハーバード大学のトールセン・ウィーゼルとデビット・ヒューベルは1981年にノーベル生理学・医学賞を受賞しています。ウィーゼルは『その後の人生で成長していくための基礎は幼児期に築かれる』と言っています」
幼児教育は単なる勉強とは違う
ただし、幼児教育というのは、いわゆる「勉強」とは異なります。
「幼児教育ではなにを覚えたとか、どれくらい覚えたという結果が大事なのではなく、あくまでもその目的は、しっかり刺激を与えて潜在能力を引き出し、それを生かした『使いやすい脳』を育てるということです。
たとえば記憶力にしても、6歳までの時期にしっかりとした記憶の回路を脳の中につくり上げておけば、小学生や中学生になってから暗記に苦労することはありません。
英語だって小さい頃のほうが聞く耳は育ちやすいので、その時期にその力を身につけておくほうが、その後も英語を楽しんで学べるのは間違いないでしょう」(七田先生)
では、どんなことをすると、小さいころから潜在能力を引き出しやすくなるのでしょうか。
「たとえば、好きな絵本を繰り返し読んであげるだけでも、最低限必要な記憶力の基礎は十分育ちますし、小さい頃から英語の音声を聞かせる機会をたくさんつくってあげれば、その後、英語は格段に身につきやすくなります。
小さい頃から始めるほど、最小の努力で最大の効果が得られるのです。親子のふれあいや遊びの中に知的要素を加えることをほんの少し意識するだけでも、子供の才能を大きく広げることはできます」(七田先生)