器を愛し、器を楽しむ暮らしを発信しているブロガー・ぶち猫さん。ESSE onlineでの連載が、
『日々をたのしむ器と料理』(扶桑社刊)として書籍化されました。 そこで、同時期に『一生楽しく浪費するためのお金の話』(イーストプレス刊)を出版した劇団雌猫のひらりささん、かんさんと、“猫つながり”という縁で、「趣味とお金」というテーマで座談会を実施。
すべての画像を見る(全4枚)この模様を前後編でレポートします。後編の今回は、好きなことをしていくために、お金とどうつき合っていくかについて語り合いました。
【ぶち猫】
ブログ「ぶち猫おかわり」で、料理、お菓子づくり、ホームパーティ、旅行の記録などをつづって話題に。器のコレクションやコーディネートにも定評がある。ESSE onlineの連載をまとめた著書『日々をたのしむ器と料理』(扶桑社刊)が発売中
【劇団雌猫】
オタク趣味をもつ、平成生まれの4人のアラサー女子によるグループ。著書、メディア出演多数。新刊は、息長く趣味を続けていくためのノウハウをまとめた『一生楽しく浪費するためのお金の話』(ファイナンシャルプランナーの篠田尚子さんとの共著)
好きなことにお金をかけるために、余計なことは合理化する
●どんどん人が増えていき、ホームパーティが40人規模に
ひらりさ:ぶち猫さんはホームパーティがお好きなんですよね。書籍でも、ホームパーティの段取りについての箇所を興味深く拝見しました。
ぶち猫:最近では、場所を借りて、多いときで40人くらいお誘いして季節の催しをしています。夏の時期なら「流しそうめんの会」を企画したり。
ひらりさ:もはや総合イベントって感じですよね。なぜ40人規模にまでなったんですか?
ぶち猫:参加者が多い方が、会場費なども含めて会費を安くできるのがいちばんの理由です。物事をつきつめて考えがちなタイプなので、会費をリーズナブルにするために人数を増やして、ぎりぎり個人で開催できるところまで拡大した感じです。そういうことを試行錯誤するのが楽しいようです。
かん:子どもの頃は給食とか林間学校とか、みんなで集まって食事する機会がありましたけど、大人になるとなかなかないですよね。私は家に人を呼ぶのが苦手だったけど、引っ越しを機に思いきってやったらすごく楽しかったです。家にある器も活用できて。
ひらりさ:料理とか器とか、それだけだと家事なんだけど、ぶち猫さんはエンタメに昇華させているのがすごいなと思います。ところで、
『一生楽しく浪費するためのお金の話』は、趣味を末永く続けるためにも計画的にお金を貯めて増やそうという本なのですが、ぶち猫さんご自身は、お金についてはどのように向き合っていらっしゃいますか?
ぶち猫:私は、本業が金融関係なので、お金についてはどちらかというとプロに近い立場かなと思います。
かん:そうだったんですね!
ぶち猫:友人からも資産運用について相談されることがあるのですが、基本的なところから説明するのは大変なので、アドバイスも難しいなと思っていました。
『一生楽しく浪費するためのお金の話』は最初が座談会形式で共感しやすいし、みんなが知りたいお金の悩みや疑問が章立てて載っているので、すごくわかりやすかったです。つい最近も「家を買った方がいいのかな?」と友人に相談されたので、この本をすすめようと思いました。
●がんばって節約するのではなく、固定費を削減する
ひらりさ:ぶち猫さんにそう言っていただけると嬉しいです。じゃあ普段から積極的に投資とかされているんでしょうか?
ぶち猫:実は、プライベートでは、細かい投資はしていないんです。当たり前のことですが、投資は得もあれば損もある上に、投資先の検討、投資後のモニタリング、確定申告等に手間暇もかかるので、個人的には、そのぶんの時間と労力を使って、趣味的なライター仕事をしたり、ブログでアフィリエイト収入を得ているほうが確実に収入になるし、楽しい感じです。
お金の管理については、投資よりは、コストカットをメインにしています。具体的には、固定費の削減と適法な範囲での節税がメインです。固定費については、携帯電話を格安SIMにしたり、月額料金のかかるサービスの継続要否を定期的に検討したり。
節税については、今の勤務先の確定給付企業年金を最大限に利用しています。ごく簡単に言うと、給与や賞与から自分で指定した金額のかけ金を積み立てて、退職時にその分をまとめて受け取ることができる制度で、給与所得よりも退職所得の方が税率が低いので、退職までに使うあてのないお金を積み立てて節税しています。
また、ちょっと別の視点ですが、収入を維持することも重要なので、転職市場で自分のスキルがどれくらい評価されるのか、定期的にチェックするようにもしています。
あとは小さな話ですが、コーヒーが好きなので、サーモスの水筒に毎朝ドリップしたコーヒーを入れて、職場に持って行っています。毎日お店で買うことを考えるとコストカットとしては結構大きいし、買うよりもおいしいのがいいところです。
ひらりさ:堅実ですね…!
ぶち猫:どちらかというと、「好きなこと・楽しいこと以外は合理化する」という感じです。固定費などの「こだわりがない」支出は、定期的に見直して不要なものは減らす。そのぶん、趣味にお金をかけていいことにしています。あとは、収入が増えても生活水準を上げすぎないこと。おつき合いで、見栄をはるための出費はしないことにしています。ホームパーティも、「私のおごりで!」にはせず、会費制にして割と細かく収支が合うように計算して運営しています。友だちづき合いであれば、お互いにフェアな方が楽しいと思うので。
●支払い明細を見ることで支出をチェック
かん:うちは私も夫もオタク気質だし、共働きで子どももいないから、どんぶり勘定になりがちなんです。私は貯金用口座に一定金額を入れていて、夫は家賃とか固定費を支払っているんですが、トータルで出入りがどのくらいなのか、じつは知らないんですよね…。
ひらりさ:私の周りも、共働き夫婦の方が、家計管理が大変そうな印象があります。別々の家計にしていたら、夫がリボ払いしていることが判明してビックリしたというケースを聞いたことも。
かん:支払い明細をちゃんと見ずにいたら、いつの間にか有料チャンネルに加入していて、毎月余計なお金を支払っていたことがありました。
ぶち猫:私もものぐさなので基本的にはどんぶり勘定なのですが、必要最低限のところで、クレジットカードの明細と銀行口座の残高は定期的に見て、お金の動きをチェックするようにはしていますね…。
ひらりさ:ぶち猫さんだと固定費を抑えているように、かんも夫婦でなにか目印になる指標があるといいのかもね。
ぶち猫:お子さんができたらご夫婦で家計管理した方がいいと思いますが、現状はひとまず、かんさんご自身の資産が目減りしていないことを定期的にモニタリングしていればいいのではないでしょうか。
かん:「好きなこと・楽しいこと以外は合理化する」という考え方を参考にしつつ、がんばります!
ぶち猫さんがおふたりの器に関する相談にのった
前編はこちらから。
<撮影・取材・文/ESSEonline編集部>