リビングや寝室と共に、多くの時間を過ごす場所といえばキッチン。じつはここに、「貯まらない家」の兆候が見えます。片づけの仕事で数多くの散らかったおうちを訪問することが多いライフオーガナイザー、ファイナンシャルプランナー、家計アドバイザーの下村志保美さんは、「 “貯まらない家”で場所を取りがちなものの代名詞が、キッチン家電です」と言います。詳しく教えてくれました。

貯まらない家
貯まらない家のキッチンには共通点がありました ※写真はイメージです
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貯まらない家にキッチン家電が多い理由

鍋やフライパンと並び、“貯まらない家”で場所を取りがちなのが、キッチン家電。電気圧力鍋、ジューサーやハンドブレンダーなど、使いこなすと便利で魅力的なものがたくさん登場しています。

ただこの「使いこなす」までが、案外ハードルが高いもの。買ったはいいものの、使いこなせるようになる手前で、「なんだかうまく使えていない」と苦手意識を持ってしまい、結果的に放置されやすいのです。

かさばるキッチン家電のセットは、バラして収納してみる

キッチン家電
※写真はイメージです

キッチン家電はとても便利ですが、「洗うのに手間がかかる」という共通点があります。たとえば子育てしながら共働きをしている方でしたら、理想は毎朝、ジューサーでしぼりたてのフレッシュジュースをつくって楽しみ、その後きれいに洗ってから出かけること。

でも現実となると、ただでさえ忙しい時間帯に“ミキサーをメンテナンスする時間”が加わり、とてもじゃありませんが、日常使いをしている余裕がなかった、なんてことも多いはず。これはご自身のライフスタイルにそのキッチン家電が合っていなかった一例です。

セットになっている家電が収納の場所を取っている、というケースもあります。たとえばハンドブレンダーを買ったら複数のアタッチメントがついていたけど、普段使うのは1種類だけ、でもセットなので買ったときの箱にまとめて収納してかさばっている…。

こんなときは、普段使うものだけキッチンの取り出しやすい場所に残しておき、残りのパーツは納戸などにしまうとスッキリします。普段使っているほうに、「ほかのものは〇〇に収納」と書いたマスキングテープをはっておけば、いざ使うときも「どこに置いたっけ?」とあわてません。

キッチン家電は、使いこなして習慣化できれば大変便利なものですが、そこまでにはかなりの時間を要します。SNSなどで“神グッズ”的に、使用例を紹介してバズっている投稿もありますが、動画で紹介できるほどの方は、「相当、使い込んで覚えた」と認識しておけば、買う前に冷静になれるかもしれません。「これをいつ、どうやって使って、メンテナンスしていく?」と脳内シミュレーションしてみましょう。