女優・川上麻衣子さんの暮らしのエッセー。 一般社団法人「ねこと今日」の理事長を務め、愛猫家としても知られる川上さんが、猫のこと、50代の暮らしのこと、食のこと、出生地でありその後も定期的に訪れるスウェーデンのことなどを写真と文章でつづります。今回は「健康管理」について。普段食べている食事も公開!

猫とフィーカ
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フィーカ:fikaはスウェーデン語でコーヒーブレイクのこと

還暦を前に実感する「加齢」。どう向き合う?

カウンターに立つ川上麻衣子さん
不定期で「おばんざいや」の女将として店に立つ、川上麻衣子さん

還暦まで2年を切ったところで、諸々と体や体調の変化を実感する今日この頃。一難去ったところでまた一難。いつか遠い未来に訪れるだろうと覚悟していたことが1つずつ現実の問題になり始めているといったところでしょうか。

最初に気になり出した髪の色については、白髪染めをやめて半年ほど経ったところで徐々に気持ちも白髪を受け入れている…そんな心境です。意外だったこととしては、気にして染めていたときにはものすごく増えたと思っていた白髪が、染めるのをやめてしばらくしてみると思ったよりも少なく、まだまだ黒髪が多いということ。

川上麻衣子さん
白髪染めをやめて半年強の最近の様子

つまり年を取るとはそういうことなのでしょう。だれもが突然に、劇的に、年を取るのではなく、徐々に徐々に、ジワジワと侵食されていくような、そんな感じで老いを受け入れていくのかなと。だからこそ、早めに受け入れておくと、反対にじつはまだまだ若いという自分自身の発見につながるかもしれません。

「焦らない・逆らわない・でも諦めない」。この3つのワードが現在の私を勇気づけそして気持ちを奮い立たせてくれています。

もともとポジティブに物事を捉えたい気質なこともあり、負の要素が強い事柄も逆転の発想を駆使して、楽しく愉快に、そして発見に満ちた日々にしようと心がけているのですが、しかしここにきて、正直壁にぶち当たっています。

それは…。

家系的に「高血圧」は避けられない!?

年を取ったら、対策を取らなければいけないと言われていた「高血圧」問題です。

代々高血圧の家系に生まれた私は、学生の頃、まだ上が100にも満たずに低血圧と信じていた自分に、内科で聴診器をあてた先生から「あなたは将来確実に高血圧になる音がしますね」というお墨付きをいただいていました。

そして現在、紛れもない「高血圧」に育っています。

血圧計が我が家にやってきたのは5年ほど前。毎朝測ってみると、そのときの精神状態が数字に反映していることがよくわかります。とくに舞台の本番の前になると危険な数値を示してくれるだけに、余計に緊張してしまいそうです。

それでも未だ、薬を飲み始めていないのは一度飲み始めたらやめることはできないという重圧です。担当のお医者さんにも相談しては、毎回「どうしましょうかね…。とりあえず次回まで様子を見て考えましょう」と伸ばし伸ばしで現在に至っているわけです。

振り返れば20代後半、自律神経失調症と言われるような体調不良を経験した際にも、病院にはかかりつつも薬に頼るのではなく、できる限り運動や体によいとされるものを取り入れることで、なんとか乗りきった過去があります。

元を正せば、そのような頑なな性格と完璧主義の性格が災いして、自律神経を乱してしまったのかもしれませんが、今もなおできる限り自然療法で体のバランスを保ちたいという意識は強く働いています。