毎月自転車操業で、なかなか貯まらない…そんな人は、もしかしたら「貯まる人の考え方」を知らないからかもしれません。

ここでは「派手な生活をしているわけではないのに貯められない」と悩むESSE読者たちが集まり、相談会を開催。
アドバイスしてくれたのは、節約・消費生活アドバイザーの和田由貴さんです。

貯められない人は、突発的な出費に弱い! 貯蓄とは別に「予備費」の準備を

節約・消費生活アドバイザーの和田由貴さん
お金のプロが読者のリアルな悩みを指南!
すべての画像を見る(全2枚) <読者プロフィール> ・河野冬美さん(仮名・34歳)

東京都在住(もち家)、現在育休中。夫(34歳・会社員)、長女(4歳)、長男(9か月)の4人家族。世帯年収340万円、総貯蓄額30万円

・狩野幸恵さん(仮名・40歳)

東京都在住(賃貸)、専業主婦。自営業の夫(40歳)、長男(9歳)の3人家族。世帯年収700万円、総貯蓄額500万円ながら散財で貯蓄減

・山田美月さん(仮名・37歳)

神奈川県在住(もち家)、専業主婦。会社員の夫(32歳)、長男(5歳)、二男(1歳)の4人家族。世帯年収324万円、総貯蓄額360万円

・松野美穂さん(仮名・43歳)

千葉県在住(もち家)、週5でパート。会社員の夫(45歳)、長男(15歳)、二男(12歳)、三男(5歳)の5人家族。世帯年収600万円、貯蓄はなし

●まずはなににいくら使っているか把握する

和田 皆さんに質問です。毎月のこづかいはおいくらですか?

狩野 とくに決めてはいないんです。飲み会やらお茶やら、お誘いが多い月は5万円くらいだし、そうでない月は半分以下なので。

松野 私もそんな感じ。たまにママ友と開くバザーで、手づくりアクセサリーを大人買いするのが楽しみで。子育ても、パートもがんばっているんだから、これくらいはいいよねって。

和田 じつはこれも、貯まらない人の共通点。貯金額はもちろん、なににいくら使っているか把握していないと、ちょいちょい使ってしまうものなんですよ。そして気づいたら「なぜか、苦しい…」みたいな。

河野 そうなんですよ~。気づいたらなくなっていて。まぁ、自分で使ってはいるんですけれど。

●毎月のこづかいは1割以内に

和田 せっかく貯蓄しても、結局下ろさずをえなくなるケースですね。そうならないためにも、やはり費目別に予算を立てて、オーバーしないようやりくりしていくスタイルがいいでしょう。

山田 その、予算の立て方がわからないんです。目安や基準のようなものはありますか?

和田 あくまでも一般的ですが、こづかいは手取りの1割以内、貯蓄は2割を目標に、とお伝えすることが多いですね。

松野 ヤバい…。2割以上こづかいだった月もありました。

山田 うちも、夫のこづかいが多めだとわかりました。夫と話し合ってみようと思います。

●貯めるために“使って当たり前”の支出を疑ってみる

河野 なににいくら使っているか知るには、やはり家計簿をつけた方がいいんでしょうか?

和田 絶対ではないけれど、収支が不透明であればつけたほうがいいと思います。ある程度状況が把握できて、費目別に予算立てできるようになればつけなくても大丈夫。

狩野 家計簿を見て、「こんなに使っていたんだ」と認めなきゃいけないのはつらいかも。それに私、どうせ買うなら「ちょっといいもの」を選びたいタイプ。節約のために、安かろう悪かろうなものにチェンジする自信はありません。

和田 その必要はないですよ。私もブランドものは好き。でも、予算に限りがあるわけだから、うまくメリハリをつけていきたいですよね。どうしても欲しいものは予算を組んで貯めてから買う。私自身、「あれば便利なものはなくても平気!」と割りきって考えるようにしたら、ムダな買い物がなくなりました。

一同 おお~!

●見栄やつき合いの習い事はやめる

和田 子どもの習い事も、じつは惰性で続けさせている…という方もいるのでは? 見栄やつき合いなど、親の事情で習わせているのであれば“子ども費”ではなく“親のこづかい”の予算に組み入れて、考えてみるといいでしょう。

松野 なるほど。そう考えると、検討の余地がありそうですね。

和田 話は変わりますが、皆さんそろってイレギュラーな出費に弱いようですね。そうは言っても、修理や買い替えなど、予測できるものも多いはず。そのために、貯蓄とは別に“予備費”を積み立てておくことをおすすめします。これがあれば、生活のリズムが崩れにくいんです。

山田 わが家はいつもこの突発出費に泣かされてきたので…。ギリギリですが、なにか削って予備費に充てたいと思います。

狩野 私、あればあるだけ使ってしまうタイプだけれど、それって逆に、なければないで過ごせるわけですよね? 前向きにがんばります!

和田 そう、その調子! 考え方と行動をちょこっと方向転換すれば、だれでも絶対に貯められるようになります!

●座談会を終えて…

節約メモ帳

愛用の「節約メモ帳」持参でやってきた山田さん。

「とてもがんばっていますが、節約だけでは限界が。今後は山田さんが働いて収入を増やすことも考えてみては?」(和田さん)

開運本やグッズをそろえることで、「貯まった気になっていた」という松野さん。

「今後は現実も見つつ、メリハリある生活を。パートでは収入アップ業務にもチャレンジしたい!」

それぞれが自分の改善点に気づき、変わる決意を胸に抱くことができました。

「いつか、貯金の達人としてESSEに登場する日を目指してがんばります!」(狩野さん)