稲作が盛んな佐賀県は、昔から日本酒づくりが盛ん。「乾杯は県産の日本酒で」という県の条例があることでも土地柄が伺えます。そんな佐賀の日本酒と酒器をテーマにしたイベント「SAGA BAR premium in 武相荘」が開催。その様子とともに、佐賀ならではの日本酒の楽しみ方をご紹介します。

日本酒と酒器

佐賀の日本酒と酒器にこだわったプレミアムなイベント

「佐賀を味わう」をコンセプトに、ポップアップショップや人気料理家とのコラボイベントなどを実施してきた「SAGA BAR」。今回の舞台は実業家・白洲次郎氏とその妻で文筆家の正子氏ゆかりの『旧白洲邸 武相荘』(東京町田市)。能楽をはじめ日本文化に関する著作を数多く残した白洲正子氏が、佐賀の焼き物をこよなく愛したことから実現しました。

酒器イメージ写真

日本酒は注ぐ器の形状で飲み口が変化。それぞれのお酒に合った酒器を選べば香りや味の特徴が明確に感じられ、余韻も楽しむことができます。イベントでは、6種の「佐賀酒」に合わせて6種の酒器をセレクト。さらに、それぞれのお酒とペアリングした料理を特別に用意し、コース仕立てで提供しました。

日本酒:光栄菊 スノークリスタル×器:虹色一口ビール

日本酒と酒器
季節限定酒「光栄菊 スノークリスタル」(光栄菊酒造)と佐賀市重要無形文化財指定・肥前びーどろの「虹色一口ビール」(副島硝子工業)

マスカットのような香りが特徴の日本酒「スノークリスタル」は、手づくり吹きガラスの「虹色一口ビール」に注いで。口が広がった酒器で香りがふわっと立ち上がり、その心地よさをまず感じてから果実感のある風味が楽しめます。虹のように色が広がるグラスの視覚効果も、味わうほどに芳醇な風味に変化するお酒にマッチ。

<料理:白石れんこんなます 不知火(しらぬい)の香り>

白石れんこんなます

フレッシュ感のある「スノークリスタル」に合わせたのは、佐賀産レンコンのなます。特産かんきつの不知火と漬け込んだレンコンのほろ苦く、さわやかな味わいがかんきつ風味のお酒と響き合います。

日本酒:古伊万里 ヒイズル×器:有田焼のおちょこ

古伊万里 ヒイズルと酒器
限定酒「古伊万里 ヒイズル」(古伊万里酒造)と有田焼の名窯特注の「SAGA BARおちょこ」(李荘窯業所)

全国4店舗のみで販売という希少な「古伊万里 ヒイズル」は、軽い口当たりながらうま味がぎゅっとつまったお酒。「SAGA BAR」オリジナル、有田焼のおちょこで少しずつ口に運べば、徐々に風味がラ・フランスのような甘味に変化! 

<料理:エミューのタルタル ゲンコウと自然薯>

エミューのタルタル ゲンコウと自然薯

上品な甘味をたたえた「古伊万里 ヒイズル」には、しっとりとしたエミューの肉と佐賀県固有のかんきつ・ゲンコウの香気、自然薯の食感が楽しめる一品をペアリング。

日本酒:特別純米酒 幸姫×器:鎬ショットグラス

日本酒と酒器
「特別純米酒 幸姫」(幸姫酒造)と伝統的な有田焼×デジタル技術による「鎬ショットグラス」(李荘窯業所)

佐賀県産山田錦100%使用の「特別純米酒 幸姫」は、お米由来のうま味がありながらすっきりとキレのある飲み口。その特徴を生かすのが細長いショットグラス型の酒器で、あごを上げて飲むため、お酒のキレがダイレクトに喉に届きます。デジタル技術によるシャープな縞柄もお酒の個性にはまります。

<料理:剣先いか 佐賀海苔香味干し フリット>

剣先いか 佐賀海苔香味干し フリット

濃厚な味わいの剣先イカのミンチと、これぞのり! という力強い香りの佐賀海苔をそれぞれフリットに。風味の濃い料理はやや辛口の「特別純米酒 幸姫」と好相性で、フリットの油っぽさもすっきりと中和してくれます。

日本酒:万齢 特別純米酒 超辛口×器:斑唐津酒碗

日本酒と酒器
「万齢 特別純米酒 超辛口」(小松酒造)と古唐津の伝統技術を伝える「斑唐津酒碗」(村山健太郎作/健太郎窯)

辛口なのに味がある「万齢 特別純米酒 超辛口」は、高台の土見せと品よく現れたまだら模様が印象的な「酒碗」で。広い口径でお酒がまろやかになり、うま味やふくらみもよく感じられます。

<料理:太閤ごぼう 自然一醤油とバルサミコ酢炊き>

太閤ごぼう

一緒に味わう料理は、直径10cmにもなる唐津特産の太閤ごぼう。甘味の強いゴボウを甘口しょうゆとバルサミコ酢で炊き上げた濃厚な味わいが、うま辛のお酒とビビットに調和します。

日本酒:純米吟醸 松浦一 雄町×器:モノヲト

日本酒と酒器
「純米吟醸 松浦一 雄町」(松浦一酒造)と肥前吉田焼の窯元が手がける「モノヲト」(224 porcelain)

日本最古の酒米・雄町米で醸すどっしりとした飲み口の「純米吟醸 松浦一 雄町」には、丸っとした形で重みのある酒器「モノヲト」をセレクト。サウンドデザイナーと共同で開発し、手に持って傾けると底の鈴が音色を奏でるのも特徴。心地よい音に耳を傾けながら、お酒のうま味とコクを最後まで楽しめます。

<料理:佐賀牛焼き ブラウンチーズと葉隠味噌ディップ>

料理と日本酒

うま味の濃い佐賀牛のステーキを、天然醸造のみそとホエイに牛乳を混ぜて煮詰めた希少なブラウンチーズのディップでいただく一品。濃厚な味わいの料理とコクのあるお酒「純米吟醸 松浦一 雄町」とのペアリングは、コースのクライマックスにぴったり。

日本酒:能古見 純米吟醸 あらばしり×器:麟Lin

日本酒と酒器
季節限定酒「能古見 純米吟醸 あらばしり」(馬場酒造場)とテクスチャーも色も斬新な「麟Lin」(金照堂)

ラストを飾る「能古見 純米吟醸 あらばしり」は、佐賀県鹿島産の山田錦を使用したしぼりたてのお酒を生のままビンづめしたお酒。口が広く、メタリック感が独特な「麟Lin」でフレッシュな香りをぞんぶんに堪能します。新酒特有のさわやかな風味と幻想的な色合いの酒器との取り合わせも華やか!

<料理:さがびより(佐賀米)焼き結び>

料理と日本酒

粒が大きく、もっちりと甘味のある佐賀米を使用。隠し味に魚醤、香りづけにゴマ油を使用した香ばしい焼きおにぎりと、さわやかな新酒「能古見 純米吟醸 あらばしり」でコースを締めくくります。

SAGA BARではさまざまなイベントを開催!

イベント風景

MCは、女優で日本酒きき酒師の児玉アメリア彩氏。巧みなナビゲートでイベントを盛り上げました。デザートは、武相荘名物のどらやきを和紅茶の逸品・嬉野(うれしの)紅茶とともに。

酒器

そしてお土産は、佐賀を代表する作陶家、矢野直人氏と浜野まゆみ氏が制作したオリジナルの酒器。佐賀の酒器で佐賀のお酒を味わう豊かなひとときを、自宅でも楽しんでほしい…。余韻まで考え尽くされたプレミアムなイベントに「次回はぜひ佐賀に足を運び、酒蔵や窯元へ!」という声が続出。佐賀のお酒と魅力に酔いしれた一夜でした。

SAGA BAR

SAGA BARでは、今後もさまざまなイベントの開催や日本酒の情報を発信。公式インスタグラムをぜひチェックしてみて!
https://www.instagram.com/sagabar_official/

問い合わせ先:佐賀県流通・貿易課 0952・25・7252