12月に入り、それぞれ佳境を迎えている秋ドラマ。その物語の行方が注目されている作品のひとつが、『セクシー田中さん』(日本テレビ系・日曜22時半~)です。現在は第7話まで放送されていますが、過去の回はTVerやHuluにて配信中です。ここでは、第7話の見どころを振り返ります。
ドラマ『セクシー田中さん』7話を振り返り。田中さんの生き方が若者たちの恋愛を変える?
芦原妃名子さんによる同名マンガが原作。
じつはセクシーなベリーダンサー・Saliというもうひとつの顔を持っている、地味で友達も恋人もいないアラフォーOLの田中さん(木南晴夏さん)が主人公です。
そんな田中さんのわが道を行く生き方が、周りの人たちを魅了し影響を与えていきます。
田中さんと同じ会社で働く派遣OLの朱里(生見愛瑠さん)や、昭和の価値観に縛られ、田中さんにも言いたい放題の失礼な男・笙野(毎熊克哉さん)は、田中さんと接しているうちに少しずつ考え方が変わっていきます。
●こじれた恋愛観がほどけていく
今回の主人公とも言えるのが朱里と、朱里に想いを寄せる小西(前田公輝さん)、朱里の学生時代からの友人でずっと気になる相手だった進吾(川村壱馬さん)。
朱里を家まで送った小西は、家の前で待っていた進吾とバッタリ。朱里の知らないところで飲みに行く約束をします。それを知った朱里は激怒。行かないでほしいと言いますが、勢いでひどい言葉を小西に投げかけてしまい、ふたりはケンカ状態に。
落ち込む朱里。そして小西は結局、進吾と飲みに行きます。ここまで飄々としていてつかみどころがなかった小西と、なにを考えているかイマイチ読めなかった進吾。ふたりが飲みながら本音を語っていきます。
それぞれ、世間や異性に対して不信感に近いものを持っていたふたり。小西は、中学時代は冴えずモテることもありませんでしたが、いい大学に行き、商社に入ったことで状況は一変。今は女性のほうから連絡先を渡してくるように。一方の進吾は、中学ぐらいまではモテていましたが、大学は二流、就職先もギリギリで入れたところ。懐いてくれるのは朱里だけ。
そんな中で、小西は「男の学歴・年収と、女の若さ・かわいさは等価交換」と言いますが、その言葉にはこの物語の根底にあるテーマを感じます。たしかにひとつの基準となるものかもしれませんが、人と人とのつき合いで大切なことはもっと深い部分にあるもので…。
でも、そんな小西の考え方を覆してくれたのが朱里の生き方。突き詰めれば、朱里の生き方を変えた田中さんが、小西と進吾さえも変えたと言えるのかもしれません。