新学期目前。「子ども部屋を片づけなきゃ!」という焦りや、「自分の身の回りを整頓したい!」という思いをもつ人も多いはず。

今回はそんな人に向けて、この時期の片づけに大事なポイントを、ライフオーガナイザーの香村薫さんに教えてもらいます。

片づけたいものをしっかり把握してから収納グッズを買うべし

●新生活用品の収納グッズを買うのは、ゴールデンウィークまで待つ

まず、「新しく使うものが増えるから、早速収納グッズを買わなきゃ!」という行動は、じつは失敗を招きやすいといいます。

「実際に整理収納アドバイザーとしてお客様のご自宅に片づけ作業に行くと、『新学期に備えて買ったけれど、結局うまく使えていなくて…』と放置されているカラーボックスや収納グッズを多く見かけます」

新生活になれるまでは、たとえば学校の教科書であれば、「全部でどれくらいの量があるのか」「どれくらいの頻度で使うのか」がピンときません。
全体量や使用頻度を把握できないまま収納グッズを購入すると、うまく収まらずに失敗してしまうことに。

「そうはいっても、片づけたい…というときは、もともと家にあった収納グッズを使って“仮置き”してみましょう。手もちの収納グッズがなければ、100円ショップのバンカーズボックスをとりあえず買うか、紙袋やシューズボックスを代用してもいいと思います」

実際に香村家が子供の入学にそなえてつくった学用品の仮置きがこちらです。

学用品の仮置き
香村家の仮置きがこちら
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「多少見栄えが悪くてもOK。収納された状態が見えるようになれば、『もっとこうなったらいいのに』というような思いが湧いてくるものです。仮置きの状態で少しずつ新生活に合わせて改善していくのが大切。生活に慣れてきたゴールデンウィーク頃に、よく吟味した収納グッズを買うとのちのちの失敗がありませんよ」

よく吟味した収納グッズ

●本はベストな置き方を考える

「本は縦に置くもの、と思っている人が多いですが、それが必ずしもいいわけではないです」と香村さん。

どうしても背表紙が見えるように立てて置きたくなりますが、実際は本の種類によって置き方を変えるのがベストだそう。

「“縦置き”が向いている本は、厚みのあるもの、背表紙でパッと把握できるものです」

背表紙でパッと把握できる

「一方、“横置き”(積み重ねて置く)が向いている本は、薄い本や、表紙を見た方がなんの本なのかわかりやすいもの」

横置きにするには量に限界があります

「横置きにするには量に限界がありますので、教科書など種類の少ないものが向いています。通常の厚みのある本であれば、教科書類より数も多いので、背表紙で判別しやすい縦置きがいいですね

香村さんが研究した結果、小学校3年生までの教科書類だったら、条件的に横向きにした方が収納や取り出しがラクだそう。

低学年のお子さんがいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

●中身が見えるケースと見えないケースを区別する

最後のポイントは、中身が見える収納と見えない収納、どちらを使うかをものによって分けること。

「収納グッズの種類はさまざまですが、大きく分けると中身が見えるもの、見えないものになります。なんとなく選ぶのではなく、なにを入れるかで選ぶがのおすすめ」

たとえば、中身が見える収納グッズに合うのは、毎日使わないもの、目が届きにくい場所に置くものなど。

「使用頻度の少ないものを、外側から中身が見えないケースに入れておくと、“この中にはなにが入っていたんだっけ?”となり、肝心なときに取り出せなくなります。使わないものこそ、中身の見えるケースにしまいましょう」

逆に、中身が見えない収納グッズに合うのは毎日使うものや、すぐ手に取れる場所に置いておくもの。

「毎日使うものであれば、中身が見えなくても体が場所を覚えているので取り出せます。また、毎日使うということはそれだけ中が乱れやすいということ。ごちゃごちゃしやすいので、外側から見えない方がいいですよ」

・収納の仮置きをすること ・本の置き方を考えること ・中身が見えるか見えないかを選ぶこと

この3点が新学期に向けた整理整頓で失敗しないコツです。
ぜひ4月からの新生活をスタートさせる前に、片づけたいものと照らし合わせながら考えてみてください。