本格的に秋めいた気候になってきたこの頃。日中の寒暖差も激しくなってくると、気になるのがウイルスや風邪などへの対策。そんなときに家庭に常備しておくと便利なのが「漢方薬」です。

風邪の仕組みと「漢方薬」の効果・使い方とは?

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今回は、クラシエ薬品・矢嶋さんにお話を伺いました!

いざというときに慌てないためにも「自宅に漢方薬を準備しておくといい」とは聞くけれども、とはいえ、どんなものを用意すればいいのでしょうか? 今回は、イラストレーターのまめこさんが、漢方について気になることを、クラシエ薬品・矢嶋浩平さんにお伺いしました。

●これからの秋冬は、ウイルスの動きも活発に!?

まめこ:朝晩の気温の変化が激しくなり、乾燥が気になるこの季節。風邪への対策もした方がよさそうですが、今頃から冬にかけて、流行りがちなウイルスや症状はありますか?

風邪の症状

矢嶋:まず秋口になると増えてくるのが、「ライノウイルス」がひき起こす風邪です。これはいわゆる「鼻かぜ」のようなもの。鼻がつまる、鼻水が出る、場合によっては熱も出ますね。

さらに本格的な冬へ入ると、鼻水や熱が特徴的な症状のRSウイルスの動きも活発に。ただし風邪には250~300種類のウイルスがあるといわれているので、年間を通じて、どのウイルスや症状も流行ってはいます。

だから対策としては、手洗い、うがい、生活環境を清潔に整えるなどの基本的なことは欠かせません。加えて、いざというときのために「漢方薬」を常備しておくのも手ですよ。

あとは、これから流行る、「のどの痛みが強い」風邪などには「桔梗石膏(ききょうせっこう)」というお薬がおすすめです。

 のどの痛みや腫れに作用する
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●漢方の「気になる」について聞いてみた!

漢方とは?

まめこ:そうなんですね。よく「漢方って便利だよ」という声を耳にするんですが、意外と分かっていないような気もします…。ずばり、漢方薬とはどんな薬のことをいうんでしょうか?

矢嶋:ものすごく分かりやすく言うと、「約2千年も前から使われ続けている、いい薬」ですかね(笑)。

まめこ:えっ! そんなに昔からあるんですか?

矢嶋:そうなんですよ。漢方の由来は、紀元前200年頃~220年頃に生まれ、5~6世紀に日本に伝わった古代中国の経験医学。日本に伝わったあと、国内の気候や日本人の体質に合わせて独自に発展していき、現在に至ります。「漢方」という名前は江戸時代にできたもので、その頃にオランダから伝わってきていた医学の「蘭方」と区別するために、この名前になりました。

まめこ:なるほど! 名前ひとつにも古い歴史があったとは。日頃、私たちがお世話になっている、西洋薬とは違うものなんですよね?

矢嶋:西洋薬は化学的に合成された成分からできています。そして漢方は、生薬の組み合わせによって作用効果があるとされていて、治し方にも違いがあるんですよ。

たとえば、西洋薬の大部分は、痛みや諸症状など体の中の特定の箇所へと働きかけていく一方で、漢方薬は局所から体の全体まで広く働いて、体自身が持っている治す力を底上げしていくと考えられています。どちらもいい部分があるので、症状や容体によって使い分けるといいかもしれませんね。

●風邪のひき始めには「葛根湯」

まめこ:よくあるのが、病院へ行くまでのレベルではないけれども、具合が悪くなりそうな予兆がある…というとき。そういった風邪のひき始めの場合は、どんな漢方を使うといいのでしょうか?

矢嶋:まず、「風邪のタイプ」を見極めたいですね。ゾクゾクして肩が凝り、その先に熱が出そうな気配がする…というときは、「葛根湯」がおすすめです。

葛根湯

漢方の考え方でいうと、このタイプの風邪の原因は「冷え」。だから、冷たくなった体を温めて、熱を発散させたいのですが、「葛根湯」は、肌から入った寒さを汗で解消させる働きや、体をポカポカとさせて、かぜへの抵抗力を上げる働きがあります

服用タイミングは、“寒気を感じた”とき。「寒いかも…?」ぐらいで飲んでもいいので、家庭に常備しておくのもいいと思います。

まめこ:なるほど…! 飲む際のベストタイミングなどあるのでしょうか?

矢嶋一般的には食前の服薬がいいとされています。それと、どの薬にも言えますが、薬である限り、どのようなものにも必ず薬効があるのと同時に副作用があります。処方ごとに異なりますので、医師、薬剤師または登録販売者に相談してくださいね。

●のどの“炎症を鎮める”!「桔梗石膏(ききょうせっこう)」

まめこ:漢方の基本的な考え方や、飲むタイミングなどは分かりました。ただ、気になるのが、「症状を見極める」という部分…。秋から冬にかけてしつこく悩まされる風邪のなかには、「のどが強く痛む」といった症状を持つものもありますよね。

つばを飲み込むのがつらくなったり、イガイガ感を覚える。あとは、そのまま、しつこい痰がでる場合は、どんな漢方薬を用意しておけばいいのでしょうか?

桔梗石膏

矢嶋:それなら「桔梗石膏」ですね。のどの強い痛みや腫れやイガイガは、漢方の風邪の分類の中では「熱をもっているタイプ」と考えます。したがって、寒気がする風邪のように体を温めるのではなくて、炎症を鎮める生薬を取り入れていきたいんです。

まめこ:風邪の対策に「温める」と「冷ます」があったなんてびっくりです! 「桔梗石膏」という名前なので、なかには桔梗と石膏が入っているんですか…?

矢嶋:そうですね。桔梗には気管や気管支に溜まった痰を取り除く働きがあり、その名の通り、植物のキキョウの根からできています。また、石膏は天然の含水硫酸カルシウムのことで、炎症を鎮める働きがあります。「桔梗石膏」この2つの生薬が作用し、のどの腫れや痛み、痰の排出を助けていくんですよ。

まめこ:飲むタイミングは「葛根湯」と同じく、早めがよいのでしょうか?

矢嶋:桔梗石膏の場合は、(消炎が目的の生薬のため)自覚症状が出たときが飲みどきです。

「朝起きたらのどが痛い!」といった場合に、こちらも食前に服用するといいですね。用法や用量、服薬期間、製品のパッケージをよく読み、従っていただけたらと思います。

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体調を崩しやすくなるこの時季。のどの腫れや痛み、痰が気になったら、「桔梗石膏」という選択もありです!

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問い合わせ先:クラシエ薬品 https://www.kracie.co.jp/