自宅でハウスキーピングやおもてなしのサロンを主宰するマダム市川さん。すっきり整えられたキッチンはさすがの一言ですが、「じつは私、ずぼらなの」とエレガントなたたずまいからは想像できない言葉が。めんどくさがり屋なので、フライパンは1つ、鍋は3つのみ。これだけで毎日の食事からサロンのおもてなし料理までまかなっています。

「ものを持ちすぎず、使い回せば収納に必要なスペースも少なくなるし、お手入れや管理もラクに。場合によっては効率的に料理をしたり、洗い物を済ませることもできるんです」

「少しでも手抜きしたい!」という市川さんが、マルチ使いで愛用するキッチンツールを紹介してくれました。

マダムが愛用する4つのツール&使い方

●みそこしを粉ふるいに

ケーキづくりで使う粉ふるいは、みそ汁用のみそこしで代用。「粉を入れ、片手でたたくようにします。家庭用のシンプルなケーキはこれで十分。ミモザサラダに使う卵の黄身もみそこしでこせちゃう」

みそこしを粉ふるいに
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●深いフライパンを鍋としても

深さのあるフライパンなら、炒める、ゆでる、煮る、蒸すとほとんどの調理が可能。マダムのおすすめは、においや油汚れのつかないものから調理し、フライパンを使い回す方法。

「まずアクの出ない野菜は、洗った際の水気だけで蒸し、その後、炒め物をします。スピーディーに調理ができ、洗い物の回数も最小限に」

深いフライパンを鍋としても

●アルミ箔をケーキの型に

「シンプルなスクエアケーキは、アルミ箔のケーキ型で焼きます」。強度を出すためアルミ箔を3枚重ね、内側にクッキングシートを敷いたら四辺を持ち上げてすみを折ります。

「深さは流し込む生地の量に合わせて調整を。市販の型より浅くすれば短時間で焼けますよ。アルミ箔は3回ほど使えます」

アルミ箔をケーキの型に

●木ベラをスパチュラとしても

炒め物に使う木ベラをスパチュラ代わりに。「お菓子の生地なんかは、ゴムベラより力が入って混ぜやすいの。焼き上がったケーキにクリームを塗るのにも使います」

木ベラをスパチュラとしても

ちなみにマダムは炊飯器もマルチ使い。「おすすめはミートローフ。タネを炊飯器の釜に入れ、早炊きボタンを押すだけ」。簡単&スピーディーに完成するそう。

マダム市川さん
炊飯器でミートローフもつくっちゃうの

マダムが不要と考えるツール

●クッキー型

クッキーは型抜きせず、筒状に整えた生地をナイフでカット。「生地を冷凍し、半解凍してから切るのがコツ」

●すり鉢・すりこ木

すりゴマが必要なときは市販品を購入。「とろろは、わが家の必需品であるフードプロセッサーで撹拌してつくります」

●スライサー

野菜の千切りがスピーディーにできるスライサーですが、「家族が食べる分なら包丁でもそんなに時間はかからないです」

【マダム市川さん】

本名・市川吉恵さん。1952年、東京都生まれ。’97年より自宅でハウスキーピングサロンを開講する“元祖サロネーゼ”。テレビや雑誌などで幅広く活躍し、全国各地からレッスン生が集まる。著書に『

幸せをよぶ らく家事

』(清流出版刊)など。