人生100年時代、そのモデルとして取り上げられて話題の“哲代おばあちゃん”をご存じでしょうか? 102歳の石井哲代さんは、広島県尾道市の山あいの町で、元気でひとり暮らしをし、メディアでも話題に。そんな哲代さんの初の書籍『102歳、一人暮らし。哲代おばあちゃんの心も体もさびない生き方』(文藝春秋刊)から、その暮らしぶりを抜粋で紹介します。
すべての画像を見る(全2枚)102歳、健康で長生きするための習慣
「広島県尾道市の山あいの町に暮らしています。26歳で嫁いで参りました。家の田んぼを手伝いながら、56歳まで小学校の先生をしていました。子どもは授かりませんでしたので、20年前に夫が亡くなってからはずーっと一人暮らしです。小さな畑の守りをしながら、ご近所さんとのおしゃべりに精を出す日々でございます」(本書より)
哲代さんがたちまち注目されるようになったきっかけは、100歳になってから、地元の中国新聞で、日常が連載記事で紹介されるようになったこと。何気ない暮らしぶりにより、多くのファンを生み、このたび本になりました。
そんな哲代さんの健康で長生きする習慣を紹介します。
●なんでもおいしくいただく
子どもの頃から好き嫌いはありません。それも、ようけ食べます。ふだん食事は一日三食で、野菜炒めをようこしらえます。畑にあるものを使ってちゃちゃっとね。ご飯の量は一日2膳が基本。ばら寿司だったら平皿に山盛りいただけますなあ。ご飯に対しては敬意を表したいから、一人の食卓でも「いただきます」「ごちそう様」は欠かしません。3時頃には熱いお茶をいれておやつをいただきますが、その時は「はい、おやつタイムですよ」って自分に声をかけるの。なんだかうきうきするんでございます。
●お天気の日にはせっせと草取り
天気のいい日はたいてい家の周りや畑の草を抜いています。雑草で荒れると家や畑がかわいそうな気がします。
4、5年前までは元日に「仕事始め」って言うて鍬を手にちょこっと畑に出ていました。今年も元気に働かせてもらえるように「鍬さん、畑さん、よろしくお願いします」って新年のごあいさつをするんです。今頃(最近)はしませんねえ。寒いけん。へへへ。
●良英さんと会話する
20年前に見送った夫の良英さんの写真を枕元に置いています。目線が合うよう、ベッド脇のたんすの引き出しをちょっと引いて、そこに立て掛けているんです。なんとなく、まなざしを感じます。「よう頑張りんさるなあ」と、良英さんも褒めてくれとってでしょうな。
●柔軟体操をする
思いついたときに柔軟体操をします。この脚も人よりようけ使うとりますが、よう動いてくれてじゃ。ありがとうと言いたいです。座って両脚を伸ばして前屈すると脚に頭がぺたーっと付くの。開脚したり立って前屈したりもします。あとは両腕を真っすぐ上に伸ばして、上半身を大きく回す。体のあちこちを伸ばすと気持ちええです。
ご機嫌で元気な暮らしに多くの読者が惹きつけられる、哲代おばあちゃんの暮らし。『102歳、一人暮らし。哲代おばあちゃんの心も体もさびない生き方』(文藝春秋)では、日記形式で日々の暮らしを紹介しています。