前面道路が狭い敷地で駐車場をつくるとなると、工夫が必要になってきます。自身でもクルマの利用が多く、クルマでの来客が多い地域に、家を建てた日刊住まいライター。ハウスメーカーと話し合って、プライバシーを確保しつつ、オープンな外構を採用することに。フラットな余白を敷地内につくって、使いやすい駐車場を実現しました。詳細をレポート。
すべての画像を見る(全9枚)駐車場づくりに工夫が必要だった、わが家の周囲環境
わが家は夫婦、8歳の長男、6歳の二男の4人暮らし。駅から歩いて20分ほどかかる場所に土地を購入し、2年前にハウスメーカーで2階建ての注文住宅を建てました。
土地は、静かな古い住宅街にあります。図面の赤い線がわが家の敷地です。
外構工事の際、前面道路(図面のオレンジ部分)は、道幅4mと測定されていました。しかし、実際は両端が斜めに下がっているため、車が走れるのは実寸だと約3.2m(筆者が計測)。
一般的な軽自動車の車幅は約1.5m。大型車だと車幅は1.85m。つまり、もしもわが家の敷地ギリギリに塀があると、クルマ同士がすれ違うのが困難になるところです。
そのうえ、前面道路には、ご覧のような電柱もあります(写真は現在のわが家の駐車場の様子。運転席あたりから前の道路を眺めた状況)。クルマの頭を狭い道路に出してから、スムーズに右折するのは、とても難易度が高い…。
このような悪条件がそろっていたため、わが家の駐車場のプランニングは、非常に工夫が必要でした。
建物と駐車場の配置について考えたこと
「前面道路が狭い」「来客のクルマの駐車スペースも確保したい(2台分)」「筆者は決して運転がうまくない」。そんな条件でも使いやすい駐車場をつくるために、筆者が駐車場や外構について工夫したことを紹介していきます。
1.前面道路にオープンな外構に。駐車スペースを増やす
建物(先程の図面の茶色部分)は、正方形の敷地のほぼ中央に配置。そのうえで、建物をできるだけ前面道路から離すようにしました。
また、プライバシーを守るための塀は、前面道路付近にではなく、セットバックさせて駐車場の後方に設置することに。
こうすることで、建物の左右に、奥行きのある駐車スペースを2つ確保することにしました。
こちらは前面道路から建物を見て、右側の駐車場。駐車場の奥は、庭への入り口です。この庭は、LDKに面してつくられたもの。塀のおかげで、LDKのプライバシーは守られています。
駐車場の奥行きは5.7m。おもに来客のためのスペースです。
こちらは左側のわが家の自家用車専用の駐車スペース。
左右どちらの駐車スペースにも、たっぷりと奥行きがあり、そのうえ、敷地の前面道路側(写真手前)には、余白をつくっています。
おかげで敷地の一部を使って、前面道路に頭を出す前に、クルマの向きをある程度変えることが可能に。スムーズに、駐車場から右左折できます。
ちなみに、この奥行きと余白のサイズを決める際には、担当の設計士と何度もシミュレーション をしました。マイカーのサイズをふまえて、図面の上でミニカーを使って駐車方法まで確認。このシミュレーション によって、同時に玄関ポーチのデザインや大きさも、適正に決めることができました。
実際2年間、運転がヘタな筆者でもぶつけることなく、スムーズに停めることができています!
2.土間コンクリートとタイルを採用して、広く、フラットに
わが家のクルマの駐車場も、来客用の駐車スペースとなる場所もすべて、土間コンクリートで整えました。一面土間コンクリートだとデザイン性がよくなかったので、少しだけスリットも入れました。細い溝のため、タイヤの動きには影響ありません。
地面がフラットなので、クルマの切り返しがしやすいです。砂利の駐車場と異なり、石がはねて、クルマにキズがつく心配もなし。
広いフラットなスペースのおかげで、格段に切り返しがラクに。ゲストのみなさんも上手に切り返し、停めています。
ゲストのクルマを停める際の想定図がこちら。実際に、この想定図のとおり停められています。なお、もう1台来たときや、大きいクルマが来たときは、玄関前に横づけするのも可能です。
プランをしっかり詰めたおかげで、希望通り、筆者も駐車しやすく、自家用車と別に、2台停められるスペースが確保できました。塀をなるべく奥にした、オープンな外構にして大正解!