老後資金はいくら必要? 年金はいくらもらえるの? 気になる将来の悩みをプロがわかりやすく回答。年金について理解を深めていきましょう。ファイナンシャルプランナーの深田晶恵さんに教えてもらいました。
年金っていくらもらえるの?
すべての画像を見る(全4枚)年金を受け取れる年齢になってから自分はいくらもらえるか、きちんとした金額を知らない人も多いはず。自分がもらえる年金額の確認方法やねんきん定期便の見方など、年金の「わからない!」について、ファイナンシャルプランナーの深田晶恵さんに教えてもらいました。
●50歳以上ならねんきん定期便で見込み額がわかる
日本の年金制度は下図のように「2階建て」になっています。1階は20歳以上60歳未満のすべての人が加入する「国民年金」、2階は会社員や公務員などが加入する「厚生年金」です。
「自営業や専業主婦などがもらえるのは国民年金。額は保険料納付済期間などで決まり、20~60歳まで40年間満額の保険料を支払うと、年額77万7800円(令和4年度)です」
一方、会社員や公務員は、国民年金に上乗せして、厚生年金が受け取れます。金額は、現役中の平均給与額と加入期間から割り出されます。
「今は専業主婦の人でも、結婚前などに会社員や公務員の期間が1か月以上あれば、その分厚生年金が上乗せされます。毎年誕生月に届く『ねんきん定期便』にこれまでの加入期間が記載されているので、漏れや間違いがあれば年金事務所に届け出て」
注意したいのは、国民年金は10年以上加入していないと将来年金が受け取れないこと。
「経済的に保険料の支払いが厳しい場合は、年金事務所に相談を。保険料の全額または一部免除が受けられ、将来の年金額は減りますが、免除期間も加入期間として認められます」
もらえる年金額は、50歳以上なら『ねんきん定期便』である程度わかります。49歳までは「これまでの加入履歴に応じた年金見込額」が記載されているのでかなり少ない額ですが、50歳以降は「このまま加入し続けた場合の見込額」になり、実際に近い額に。
「将来の年金額がおおよそわかるので、この時点で一度老後のプランを立ててみましょう」
●ねんきん定期便はココをチェック!
複雑に見える「ねんきん定期便」ですが、(4)の「65歳からの年金額」部分をチェックすればおおよその年金額がわかります。(2)の公的年金1階部分(国民年金)と(3)の2階部分(厚生年金)をたした額が(4)になります。(1)の加入期間に漏れがないかも念のため確認を。