今、女性の間で注目を集めているのが、白髪を染めない“グレーヘア”という選択です。
ここではグレーに輝く髪が印象的な結城アンナさんに、現在の髪色にするまでのストーリーを尋ねました。
結城アンナさんに教わる!グレーヘアとともに楽しく、美しく
「グレーヘアの自分を見たとき、『これが本当の自分なんだ』って、すごく気持ちがラクになったんです」
今63歳の結城アンナさんは、40代後半で白髪染めをやめたときの心境をそう語ります。
●染めた自分に違和感があり「もう染めない」と決断
グレーヘアを選んだのは、「染める時間やお金がもったいない」という理由に加えて、「染めている自分」に違和感を覚えたからだそう。
「染めた髪と自分の顔が、どうしても合っていない感じがしたんです。ファッションやメイクを変えてもしっくり来なくて…。それは結局、本当の自分の髪の色じゃないからなんですよね」
白髪染めをやめようと決めたものの、友人からは「老けて見えるからやめなさいよ」と反対の声ばかり。ご主人の岩城滉一さんも、「まだ40代なんだし早いんじゃない?」と言ったそう。
「でも、私の気持ちはもう決まっていたので(笑)。全体がグレーになるまでは髪を短くして、ヘアマニキュアやメッシュを入れながら乗りきりました」
髪全体がグレーになってからのコーディネートは、それまで定番だった白やグレー、ベージュに加えて、赤やピンクなどの華やかな色が似合うように。
「ファッションがより楽しくなりました。それにグレーの髪には、ライトのように顔をふんわり明るく照らしてくれる効果があるんです。鏡を見ると、『あら、天使の輪みたいでいいじゃない!?』って(笑)」
美しい髪をキープするため、毛先が乾燥したときは、シャンプーの前後にヘアオイルを塗ってケアをするそう。
「好きな香りのオイルをそろえて、気分に合わせて使い分けます。私は数年前からお肉を食べていないので、お豆やナッツでタンパク質と油分を補給することも大事。体にいい食事を心がけていれば、髪も元気になりますよ」
●グレーヘアに反対した友人も「いいね」と言うように
グレーヘアにして、「心も体も軽やかになった」というアンナさんを見て、反対していた友人も「いいわね、似合うわよ」と言ってくれるように。
「夫も白髪になってきたので、ふたりとも同じくらいの白さでちょうどいいね、と話しています(笑)」
年を重ねるにつれて、髪だけでなく肌も体型も変わっていくもの。どうすればアンナさんのように、変化を前向きに受け入れられるのでしょう。
「今の自分を愛せなかったら、この先ずっと、自分を嫌いなまま過ごさなきゃいけない。それはつらいですよね。年を取るのは悪いことではないし、みんなが通る道。そう思って自分を受け入れれば、これからの人生もずっとハッピーでいられるんじゃないかしら」
達人に聞きました!グレーヘアQ&A
さらにここでは、グレーヘアに関する著書もあるライターの朝倉真弓さんに、グレーヘアにするためのコツを教わりました。
Q:どんな人がグレーヘアに適していますか? A:染めるのが負担だったら、トライしてみましょう
染めることが負担になったり、頭皮の傷みが気になったりしたら、グレーヘアにトライするタイミング。よく「白髪が半分以上になったら」といわれますが、白髪の量が少なくても素敵です。「似合うかどうか心配…」という人もいますが、自分の自然な髪なので、きっと似合います!
Q:グレーヘアが完成する前のまだらな髪色をごまかすには? A:帽子やカチューシャ、スカーフでカバーしてみて
染めた髪と白髪が混じった半端な状態は、帽子やヘアアクセサリーで隠すとおしゃれ。ロングヘアの人は、あご下くらいの長さにするとラクですよ。
Q:グレーヘアをキレイに見せるために気をつけることは? A:ツヤが大事。ブラッシングを丁寧にしましょう
ヘアオイルをつけて丁寧にブラッシングをすると、ツヤのあるキレイなグレーヘアになります。ブラシは頭皮のマッサージ効果があるタイプのものがおすすめ。直射日光に当たると髪が黄ばみやすくなるといわれているので、帽子や日傘で紫外線対策をするといいでしょう。
Q:グレーヘアに似合うメイクやファッションは? A:どんな服でもOK。とくに華やかな小物や口紅が似合うように
明るい色からモノトーンまでどんな服も似合うので、グレーヘアのためにワードローブを入れ替える必要はありません。とくにグレーヘアに映えるのが、赤い口紅や大ぶりのアクセサリー。ポイントになるような華やかなメイクや小物をプラスすることで、よりすてきに見えます。
<ヘア/Eita 取材・文/ESSE編集部>