親族の家が空き家に…。そんな事態が増えています。もしも、自分がその場所に住むとなったら、リフォームするか、更地にして家を建てるか悩ましいところです。祖父母が住んでいた築45年の空き家を譲り受けた日刊住まいライターは、スケルトンリフォームを決断しました。新築のほぼ半分の金額で、希望の間取りの家を手にすることに。気になる耐震性・断熱性も実現。45万円の補助金も賢く利用。詳しくレポートします。

祖父母が住んでいた築45年の空き家
かつて祖父母が住んでいた、築45年の空き家。スケルトンリフォームしたら、大満足の結果に
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築45年!祖父母が住んでいた空き家を譲り受けることに

平面図

筆者は30代夫婦と2歳の子どもが1人の3人家族。今回リフォームしたのは、筆者も小学生時代まで一緒に住んでいた祖父母の家です。

祖父は10年以上前に亡くなり、祖母もそのあとすぐに施設に入ってしまったため、だれも住んでいない空き家状態に。2年前に祖母も他界し遺品整理がひと段落したこと、筆者家族もアパート住まいが手狭になってきたことから、今回、空き家になったこの家を活用することにしたのです。

もともとこの家は、39坪の平屋。その後、筆者の両親が祖父母と住むために、平屋の隣に2階建て部分(20坪)を増築。キッチンと風呂は共有のいわゆる二世帯住宅でした。

 

建て替えかリフォームか迷った結果、リフォームを選択!

解体中の様子

わが家はもともと風情ある昔ながらの昭和の日本家屋。聞こえはいいですが、古い家はすき間風でとにかく寒いうえ、耐震強度も心配でした。何件かハウスメーカーやリフォーム会社を回り、いろいろな情報を集め、建て替えるかリフォームするかを判断することにしました。

なお予算は、用意できる頭金と無理のない月々のローン返済額を検討し、総額2500万円に設定しました。

 

●更地にして新築にする場合

新築する場合でも、古家より延べ床面積を抑えた、平屋を検討していたのですが、少なくとも3000万円以上、大手ハウスメーカーは4000万円近い金額になってしまうとのことでした。

さらに、解体費用だけで150万円程度かかるとのこと…。これでは完全に予算オーバーです。

 

●リフォームして住む場合

リフォームした玄関

一方リフォームの場合は、増築した比較的新しい2階建ての部分はそのままにして、祖父母が住んでいた平屋部分を、全面的にリフォームするという考え方で検討しました。

これだと希望の予算内で耐震、断熱、間取り変更等を含めたスケルトンリフォームを行えるとのこと。設備も最新のものに替えて、注文住宅と同じように好きな間取りで住みやすくできることがわかりしました。耐震補強込みのフルリフォームを、予算の2500万円以内におさめることができると知りひと安心。

リフォームでありがちなのが、「解体してみたら、屋根裏や床下などの事前診断では見えない部分が腐食していた」というトラブル。もしそんなことがあったら、追加料金が発生するのではと心配でした。しかし、今回依頼したメーカーは、事前診断後に見つかっても、追加料金はかからないとのこと。

上記を比較し検討、筆者はリフォームを選択しました。

 

補助金制度はいろいろ。使えたものと、対象外のもの

こどもみらい住宅支援事業の資料

リフォームすることにしようと決めた理由はもうひとつあります。それは補助金です。

リフォーム会社の方が、ひととおり使えそうな補助金制度を確認してくれ、「こどもみらい住宅支援事業」(※)の補助金をもらえることがわかりました。本来リフォームの上限は30万円。ですが、筆者は子育て世帯に該当していたので、補助金は45万円。

一方で、補助額の高い長期優良住宅化リフォーム(最大で250万円もらえます)や断熱・省エネリフォーム(こちらは最大120万円)など、助成額がより高額な補助金制度については対象外。これらの補助金は、2階増築部分も含め、まるごとリフォームしなければ適用外とのことでした。

※こどもみらい住宅支援事業は、交付申請の受付を終了しています。この事業に代わり2023年度は、「こどもエコすまい支援事業」が創設されました。詳しくは専用ホームページをご覧ください