もうすぐ年末。大晦日といえば「年越しそば」ですね。 ここでは、農林水産省が運営する情報サイト「Let's!和ごはんプロジェクト」から、年越しそばの歴史と、家庭でおいしいそばをつくるコツを紹介します。教えてくれたのは、大正11年創業の老舗、「小松庵総本家駒込本店」の料理長・杉本さんです。

年越しそばの習慣は江戸時代から

年越しそば

年越しそばは、江戸時代に始まった習慣で、もともとは大みそかの夜の祝膳の一つだったそうです。今日では、そばが細く長いことにあやかり、そばのように細く長く、長寿を祈って食べるようになったといいます。ほかの麺類に比べて切れやすいため、苦労や厄災を断ち切るという意味もあります。

年越しそばは、延命や幸せが長く続くことを願う縁起物。江戸時代から続くこの習慣は現代にも続き、60%以上の日本の家庭で、大みそかに食べているそうです

食べる時間には決まりはなく、夕飯に食べても年越し直前に食べてもいいのですが、年が変わる前までには食べ終わりましょう。

「Let's!和ごはんプロジェクト」で年越しそばの歴史についてもっと知る

そばつゆの基本は「かえし」と「だし」

そばのつゆは、『かえし』と『だし』を別々につくって合わせます。家庭でもそれぞれつくって冷蔵庫に保存しておけば、いつでもおいしいそばを食べることができます。

●「かえし」のつくり方

かえしは、材料の黄金比率、しょうゆ5:砂糖1:本みりん1が基本。
5人分の場合、鍋にしょうゆ100ccを入れて弱火で温めます。決して沸騰させてはいけません。
しょうゆが人肌くらいに温まったら、砂糖中さじ2を加え、ゆっくりと混ぜて砂糖を溶かします。溶けたら本みりん中さじ2を加えて混ぜ、アクが出たら取ってください。弱火で5分ほど加熱して完成です。
完成後、すぐに使うこともできますが、1〜2週間、冷暗所または冷蔵庫で寝かすと、しょうゆの角がとれ、まろやかな味になります。

●かえしを割る「だし」のつくり方

かえしを割るだしは、水1リットルに対し、カツオとサバの混合削り節を50g使います。
鍋に水を入れて中火にかけ、グラグラ煮立ったら弱火にして削り節を入れます。再沸騰したら弱火にし、15〜20分煮出します。
だしがとれたら、ザルにキッチンペーパーを敷き、ボウルに重ねてだしを漉します。ポイントは、絶対に絞らないこと。お玉で押したりせずに,ゆっくり漉すことが雑味を出さないコツです。
1か月ほど冷蔵庫で保存できます。

●市販のめんつゆを使う場合

ご家庭では市販の『濃縮つゆ』を使われる方も多いと思います。濃縮つゆを割るときにだしを使うと、深みのある香り豊かなそばつゆになります。
かえしとだしの割合は、冷たい蕎麦は、かえし1:だし3、温かい蕎麦は、かえし1:だし7が基準ですが、薄味が好きなら多めのだし、濃い味が好きなら少なめのだしと、味をみながら量を加減しましょう。
かえしはすき焼きの割り下や唐揚げの鶏肉の味付けなど幅広く活用できます。また、だしと合わせることで、カツ丼や親子丼のつゆや煮物・お吸い物など、さまざまな料理に活用できるので、多めにつくっておくことをおすすめします。

おいしいそばのゆで方

市販の生そばや乾麺をゆでるときは、家にある一番大きな鍋でたっぷり湯を沸かしてゆでてください。ゆで湯は1人分1リットルが目安です。
噴き出しそうになったときは差し水をしないでください。コンロで火加減調整をして、ゆで湯の温度を変化させずにゆでるのがおいしくゆでるコツです。
ゆで上がったら冷水で丁寧にもみ洗いし、ぬめりをとることが大切です。ゆで時間は、各そばの指示通りにゆでます。

「Let's!和ごはんプロジェクト」は、忙しい子育て世代に、子どもが身近・手軽に「和ごはん」を食べる機会を増やしてもらうため、企業等の新たな商品・サービスの開発・販売、子ども向けメニューの展開等を促進するための官民協働プロジェクトです。

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