持続可能な社会をつくるための「SDGs」。2030年までの達成をゴールとした「持続的な開発目標」を指し、世界的に注目されています。一見難しそうに感じますが、じつは私たちの暮らしのなかに取り入れられることがたくさんあります。今回のテーマは「エコに楽しむクリスマス」について。SDGsに詳しいフジテレビの木幡美子さんにつづってもらいました。

手づくりクリスマスアイテム
ちょっとした工夫で楽しむ「エコなクリスマス」飾りのアイデア
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イルミネーションは「節電」しながら開催中

いよいよ2022年も残すところあとわずかとなりました。
コロナウイルスの流行からもうすぐ3年となりますが、過去2回の年末に比べるとイベントやコンサートなどが復活し、華やかさを取り戻したように感じます。

イルミネーションと女性

イルミネーションも復活しているところが多く、キラキラした街をバックに友達や恋人と一緒に写真を撮る姿に、ひとりで見る私まで笑顔がこぼれます。

 

●イルミネーションはLEDなら節電&環境にも優しい

一方でロシアによるウクライナ侵攻によるエネルギー不足や物価上昇は、私たちの生活にも大きな影響を及ぼしています。イルミネーションでこんなに照らして大丈夫? と思うかもしれませんが、今は白熱灯からLEDに置き換わって、その節電効果は絶大。

どのくらい節電になるかというと、白熱灯の電気代は8時間で11.2円なのに対して、LED電球はたったの1.3円。電力消費が少ないということは、CO2の排出量も少ない!

また、LEDは寿命が長いので、電球交換も少なくてすみ、廃棄する電球も減らせます。みなさんのご自宅でもすでにLED電球をお使いの方もいらっしゃるかもしれません。まだの方はぜひLEDにしてみては?

 

●六本木ヒルズは再生可能エネルギーを活用

イルミネーション
六本木ヒルズのイルミネーション

とはいえ、電気は使いますよね、と思いますが、最近はLEDに加え、「グリーン電力証書」 の仕組みを活用し、クリーンな再生可能エネルギー(CO2などの温室効果ガスを排出しないエネルギー)で電力をまかなっているところも多いのです。

グリーン電力証書というのは、太陽光・水力・風力・バイオマス・地熱などから発電された自然エネルギーの価値を取引できるように切り出したもので、これを組み合わせることで、クリーンなエネルギーでライトアップを実施したことになるのです。カーボンオフセットともいいます。

六本木ヒルズのイルミネーションは、2003年の開業以来このシステムでライトアップしているそうです。

 

●横浜のアートイルミネーションでも消費電力を減らす工夫が

横浜のイルミネーション
光と音が連動したイルミネーションショー 2023年1月3日まで開催

また、横浜で開催されている「ヨルノヨ」というアートイルミネーションは、街全体で展開していて、私も行ってみたのですが、そのスケール感に圧倒されました。 

ヨルノヨの光のインスタレーション
多くのひとでにぎわう新港中央広場の光のインスタレーション

かなりの電力を消費しているのかと思いきや、担当者によると、灯具自体がLEDなのはもちろん、30分おきに開催される5分のショーの間、常に点灯させずに複数の施設を連動させることで消費電力を減らしたりと工夫しているとのこと。さらに、通常の街灯にフィルターで変化をつけたり、広場ではジェネレータを使用することで、まったく既設電源を使っていないそう。街なかのポータル・イルミは、太陽光発電バッテリーでまかなうなど、既設電源をほぼ使っていないそうです。それでこのスケール感はすごい!

久ぶりに復活したコロナ後のイルミネーション。単に復活しただけではなく、環境へ配慮したものに“進化”していたのです。