健康志向がますます高まっている今、主食では雑穀ごはんが注目されています。雑穀ごはんとは玄米やあわ、きび、もち麦といった穀物を白米に混ぜて炊いたごはんで、栄養素も食物繊維を始めマグネシウム、カルシウムなど多様に含まれています。じつはこの雑穀ごはん、カレーとの相性が抜群だという声も。そのウワサを確かめるべく、ESSE読者の3人に「雑穀カレー」を試食してもらいました。
カレーは雑穀ごはんが好相性!栄養面もバッチリ
雑穀には多種類あり、市販されている商品では、玄米やもち麦など、単一で売られているものもあれば、大麦、発芽玄米、黒米、赤米、黒豆(大豆)、小豆、もちきび、もちあわ、たかきび、ひえ、アマランサス、キアヌ、はと麦、トウモロコシ、黒ゴマ、白ゴマと、16種類の穀物がブレンドされているものも。
●お茶碗1杯で野菜サラダ一食分と同じ栄養素が摂れる
いずれも栄養価は高いとされていますが、中でも十六穀ごはんは、お茶碗1杯分(150g)で野菜サラダ1食分(60g)とほぼ同じ栄養素が摂れる(※)と言われています。
トマト15g、ニンジン5g、キュウリ10g、レタス25g、タマネギ5gで計算。
また、栄養面だけでなく、穀物を入れることでよりもっちりやわらかく、甘みが増すのも人気の理由です。
また、雑穀の一種であるもち麦も、食物繊維が豊富。ゴボウの2倍、玄米の4倍、白米の25倍もの食物繊維が含まれています。もち麦は、ぷちぷち・もちもちした食感と甘みが感じられるのも特長です。
●「味博士」が診断!カレーと雑穀ごはんの相性度は97%超え
この雑穀ごはん、ぜひ食卓に取り入れたいところですが、どんなおかずと相性がいいのでしょうか? ひとつ思いつくのが、最近増えてきている「雑穀カレー」。最近ではカレー店の中でも「雑穀カレー」を掲げる店や、ごはんの種類から雑穀ごはんを選べる店も増えており、身近になってきています。
それもそのはずで、味覚や食べ合わせの研究をする「味博士」こと鈴木隆一さんの分析の結果、「雑穀米とカレーは相性がいい」ということがわかったそうです。
理由は、もち麦ごはんや十六穀ごはんなどの雑穀は、白米に比べて旨味とコクが強い。そのため、味の強いカレーと味のコントラストが引き出され、白米より相性がよくなるからです。実際、鈴木さんに雑穀ごはんとカレーとの相性診断を行ってもらいました。
対象は、もち麦、十六穀ごはん、白米の主食3つと、野菜カレー、ビーフカレー、シーフードカレーのカレー3種。診断に使ったのは、鈴木さんが開発した、味覚センサー「レオ」です。5つの基本味「甘味」「旨味」「塩味」「酸味」「苦味」+「コク」に分解して数値化し、味の相性を科学的に分析するものです。いずれも相性度が95%以上と、かなりの相性でした。
●相性がよかった組み合わせは?
では、カレー3種の相性を発表します。
・「野菜カレー×もち麦」=相性度97.1%
「もち麦の甘味に、野菜カレーの塩味や旨みが加わって、互いのよさがより引き出されています」
・「ビーフカレー×十六穀ごはん」=相性度97%
「甘味やコクがある十六穀ごはんにビーフカレーの塩味や旨みがプラス。味の相乗効果が生まれました」
・「シーフードカレー×もち麦」=相性度96.8%
「甘味があるもち麦ごはんと、シーフードカレーの旨みや塩味、酸味。この掛け合わせが、味のコントラストに」
上記はあくまでもAIによる科学的な分析結果。そこで、本当においしく感じるのかどうか、上記のもち麦と十六穀ごはんと合わせたカレーを読者3人に実食してもらいました。
●3種類の雑穀×カレーを、ESSE読者がいよいよ実食!
3人は雑穀ごはんは普段から食べてるそうですが、意外にもカレーとの相性を意識したことはほとんどなかったと言います。今回は、白米×カレーとの相性比較も行うべく、お三方の前に4種類のカレーが並びます。さて、お味はいかにーー?
「うん、おいしい!」(斉藤さん)と、第一声。
とくに好評だったのは、「シーフードカレー×もち麦」と「野菜カレー×もち麦」でした。
「もち麦はやっぱりもちもちしていておいしいですね。特に、同じもち麦でもカレーによって味の印象は変わるのが発見でした」という矢田さんに、2人も頷きます。
「シーフードは苦みがあるので、もち麦の甘みが引き立ちますね。野菜カレーも、野菜の旨みともち麦の甘みがよく合い、よく調和されています。どちらも麦の食感がよく、相性はとってもいい。しっかりした味と合いますね」(斉藤さん)
「シーフードのダシやトマトの酸味と、もち麦の甘みがマッチしていますよね。こうして食べてみると、もち麦はカレーに限らず、中華ベースやトマトベースの味など、甘辛さや酸味などいろんな味と合いそうですね」(朝岡さん)
●白米よりもち麦の方がカレーに合うのはなぜ?
そこで、白米と食べ比べてもらいました。いかがでしょう?
「白米と食べ比べてみると、カレーはもち麦とよく合うことが実感できました。もち麦は食べ応えがありながら、白米より粘り気もないので、カレーの味の邪魔をしないんでしょうね」(朝岡さん)
「本当に、白米より雑穀の方がカレーに合いますね。白米だと粘り気があるので米粒がひとかたまりになりがちですが、麦同士だとパラパラッとしていますよね。だから1粒1粒にカレーの味が絡みやすく、カレーの旨みをより感じやすいのかもしれません。
一方で十六穀ごはんは、同じ理由でカレーと絡みやすいんですけど、プチプチした食感のきびが入っているので、キーマカレーのように具材がシンプルなカレーと合わせやすそうですね。今回のビーフカレーにもぴったり!」(矢田さん)
あまりにものおいしさに、4皿を真っ先に完食した斉藤さん。「もう白米のカレーには戻れません」とうなる矢田さん。そして、「もち麦が衝撃のおいしさ」としみじみ語る朝岡さん。みなさん、とってもおいしそうに食べていました。
●十六穀ごはんなら、時間のないお昼に一品で出せる
ところで読者の3人は、普段、雑穀ごはんをどのように食べているのでしょう?
「私は卵かけごはんにはもち麦を、野菜の少ないレトルトカレーなどには十六穀ごはんをチョイスすることが多いですね。具材が少ないとき、特に十六穀ごはんを主食に選ぶといろんな栄養素が入っている分、ちょっと罪悪感が減りますから(笑)。食感もおいしいですし」(斉藤さん)
「確かに! 私の場合、夕飯には主食や副菜のほか、サラダやスープなどもしっかり用意しますけど、忙しい平日など、チャチャッとお昼ごはんを済ませたい時は雑穀ごはんを食べるようにしています。ごはんで食物繊維が摂れるなら、母親としても罪悪感なく、一品で出せますよね」(矢田さん)
「栄養価の高さには私もかねがね注目しています。じつは私が雑穀ごはんを食べ始めたのが、夫の尿酸値が高いことが分かったことがきっかけでした。毎日働きながら健康的なごはんをつくるのは大変だけど、雑穀ごはんなら混ぜて炊飯器で炊くだけだから、続けられそうだと思ったんです。結果的には、夫は健康だし尿酸値も少しずつ下がってきています。雑穀ごはんを食べ始めて11年は経過していますが、私たち夫婦は全然風邪をひいていないんですよ」(朝岡さん)
●明るい色合いがお弁当に映える
また、お弁当に十六穀ごはんをよく入れるという矢田さんは、こう話します。
「十六穀ごはんはお弁当に彩りを添えてくれるし、冷めてもおいしいんですよ」
「子どもも意外と食べてくれますよね。特にもち麦は、クセも少ないし見た目が白米と似ているのでお弁当に入れても違和感なく食べてくれるのでうれしい。ぷちぷちした食感も楽しんでくれています」(斉藤さん)
「十六穀ごはんは白米と混ぜて、いつもの水量で炊くだけでおいしくできるので、日常に取り入れやすいですよね」(朝岡さん)
日常にも取り入れやすく栄養価も高い雑穀ごはん。そして香り立つような雑穀カレーの写真に、レポーターさんたちの絶品コメント。おなかがすいてきましたね。今日のごはんは雑穀カレーでいかが?
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