あと1か月でクリスマス。
「クリスマスの本場といえば、フィンランド。サンタクロース村があり、クリスマスはとっても特別なものです」と言うのは、フィンランド人の夫をもち、北欧文化に詳しいルミコ・ハーモニーさん。
本場のクリスマスについて教えてもらいました。
クリスマスの本場、フィンランドのクリスマスの楽しみ方
●フィンランドのサンタクロースと、サポートするトントゥ(妖精)
こちらは11月現在のフィンランドの様子。きれいに飾りつけられ、クリスマスのムードが高まっています。
フィンランドでは、サンタクロースは「コルヴァトントゥリ」(耳の山)に住んでいると言い伝えられています。ちゃんと世界中の子どもたちがいい子であったか、クリスマスプレゼントになにが欲しいのかを聞くための「耳の山」なのです。
同じく、「トントゥ」(Tonttu)という妖精も信じられています。
人に似た妖精で、森の中や、人の家にこっそり暮らしており、家に住んでいるトントゥは、家の人が掃除しきれず、ホコリが溜まっているところをそっと掃除してみたり、消し忘れたローソクの火を消したりと、人の手助けをする存在。
またフィンランドではほとんどの家庭にサウナがあり、サウナを守っているトントゥもいます。トントゥたちにはこうした仕事のほかに、子どもたちを観察して、だれがいい子であったかをメモし、幸せかどうかを確認するそうです。
そのトントゥたちがかぶっているのが、写真のような赤い三角帽。
フィンランドでは、クリスマス当日までの日々も楽しみます。Pikku Joulu(ピックヨウル)という、「小さなクリスマス」というパーティを何度も開催するのですが、その際は、大人たちも白い縁のない真っ赤な三角帽をかぶる習慣があります。
●クリスマス定番の食べ物
クリスマスの定番の食べ物といえば、シナモンロール。フィンランド語では、「コルヴァプースティ」といって、「ビンタされた耳」という意味です。スパイスのカルダモンを入れるのも特徴。
「グロッキ」という飲み物も欠かせません。シナモンやクローブ・ショウガ・レーズン・アーモンドを入れたホットワインですが、子ども用にはクランベリージュースでつくります。
シナモンやカルダモンはコーヒーにも入れたりしますし、クローブはクリスマスの豚のハムにさしたり、クリスマスのジンジャーブレッドにも入れるくらい一般的です。
●フィンランドのクリスマスに触れられる映画
そんなフィンランドのクリスマス文化は、映画でも味わうことができます。
11月24日から順次公開される『オンネリとアンネリのふゆ』は、フィンランドの有名な児童文学を映画化した作品。原作は「多様性・家・家の喪失・難民生活・五感・想像力」を養う教材としてフィンランドの学校に登録されているほど。
オンネリとアンネリというふたりの少女が暮らす小さなかわいいおうちに、「プチッチャネン」という妖精の家族が訪ねてきます。おうちをなくした家族は、彼らをつかまえようとする悪い人間たちから逃げており、オンネリとアンネリはドールハウスに家族をかくまうことに…というストーリー。
かわいらしい映像を楽しみながら、フィンランドのクリスマス文化や思想にも触れてみてはいかがでしょうか。
『オンネリとアンネリのふゆ』
11月24日(土) YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開
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