キッチンで当たり前のように続けていた手間を、大胆にカットしてみませんか? 帰宅して最速でおかずをつくる驚きのテクニックを、料理研究家にうかがいました。
今日から取り入れれば、面倒くさいことはしなくても、ちゃんとおいしいものがつくれることを実感できます。
プロ提案の大胆なテクを活用して、おかずづくりの負担をラクに!
都市生活研究所が行った食に関する調査があります(※東京ガス 生活定点観測レポート2017より)。
これによれば「夕食の調理にかける時間は30分未満」という人は、1993年の0.5%から2017年の15.3%へと、約20年間で3倍に増加。こうした忙しい人をターゲットに、各食品メーカーも積極的に商品開発し、売り上げも好調だといわれています。
「でも、市販品には頼りたくない」という人もいるでしょう。心配は無用です。家でイチから調理したとしても、大胆な時短は実現できます。
時短レシピの開発でも定評のある武蔵裕子さんにコツを教わりました。
●薄切り肉はパックからまるごとフライパンへ
パックから肉を菜箸でつまみ、ほぐしながら焼く…。こうした手間は、意外に面倒なもの。発想を変えて、パック肉をそのまま焼いてステーキ肉みたいに味わってみませんか?
「肉はパックから出さずに、並んだまま手で押さえるようにしてしっかり結着させて、全体に小麦粉をふります。パックごと裏返しにして、肉をフライパンへ」
この方法なら、先の手間もスキップ! まな板も包丁も使わずに調理ができます。まるでステーキを食べているかのような満足感を得られるのも、うれしいところ。
「もしも肉がパックから離れにくい場合は、肉とパックの間にヘラなどを差し込んでみて」
●薄切り肉のジャンボ照り焼き
【材料(4人分)】
・豚ロース薄切り肉 20枚(400g)
・小麦粉 適量
・A[しょうゆ大さじ2 みりん大さじ1と1/2 砂糖大さじ1/2]
・レタス(ちぎる)、マヨネーズ 各適量
【つくり方】
(1) 豚肉はパックに並んだまま、肉を結着させるように手でしっかり押さえて形を整え、小麦粉をふる(※冒頭の写真を参照)。
(2) 火をつけていないフライパンに1をパックごと裏返してのせる。のせた肉の表面に小麦粉を軽くふり、強めの中火にかける。
(3) 3分ほど焼き、焼き色がついたら裏返す。フタをし、弱めの中火でさらに3分ほど蒸し焼きにする。
(4) ペーパータオルで余分な脂をふき取り、合わせたAを回し入れる。やや強火にしてフライパンをゆすりながら調味料をからめ、裏返してさらに1分ほど、ゆすりながら焼きからめて照りを出す。器に盛ってレタスを添え、マヨネーズをかける。
[1人分312kcal]
フライパンひとつで全部まとめて調理!
●スパゲティナポリタン
冷たい水からゆでたスパゲティが、意外なほどプリプリな歯ごたえに仕上がります。
「パスタも話題のコールドスタートで。このつくり方なら、具の下ゆでは不要で、次々とフライパンに投下していくだけ。一発で完成してしまいます」
鍋で湯を沸かしてパスタをゆでる手間を、サクッと省略。荒いものも少なくなるといいことずくめ! ほぼ10分で完成します。
【材料(2人分)】
・スパゲティ(7分ゆでタイプ) 160g
・水 2カップ
・ウインナソーセージ(斜めに3等分に切る) 5本
・タマネギ(くし形切り) 1/2個
・ピーマン(ヘタと種を除き、乱切り) 2個
・A[トマトケチャップ大さじ6 顆粒洋風だし小さじ1/2]
・B[バター大さじ2 塩、コショウ各少し]
【つくり方】
(1) 冷たいフライパンに分量の水とスパゲティを半分に折って入れ、フタをして強めの中火にかけ、 7分のタイマーをセットする。
(2) 煮立ったらほぐし混ぜ、弱火にする。 5分たったところでソーセージ、 タマネギ、ピーマンを加え、フタをして2分加熱する。
(3) フタを取って中火にし、 Aを加える。水分を飛ばしながら炒め合わせ、なじんだらBを加え混ぜる。
[1人分606kcal]
武蔵裕子さんの近著
『めんどくさいことなし!なのにちゃんとおいしいほぼ10分レシピ』では、このほかにも目からウロコのテクニックが満載。全部で122数入れるのレシピを紹介しています。
毎日忙しいけれど、おうちご飯を充実させたいと考えている人は、チェックしてみてはいかがでしょうか?