「まだ使える」「いつか使うかも」と思って、長い間もち続けているものはありませんか?どんなに思い入れがあっても、使わなければそれはガラクタと同じ。手放したほうがスペースを有効に使え、心の余裕も生まれます。

「ものをためこんでしまいがちな人におすすめなのが、たった15分で終わる“ゆる捨て”術。気軽に続けられるのに、家がすっきりして心にゆとりが生まれますよ」と教えてくれたのは、もたない暮らしに関する著書やブログが人気の筆子さん。
筆子さんのメソッドに、実際に読者が挑戦してみました。

ものが捨てられない読者が、15分ゆる捨てをやったら、無理なく手放せた

目標
思い出のものが捨てられない読者が、ゆる捨てに挑戦!
すべての画像を見る(全13枚)

体験してくれた読者 Kさん(30代)
夫、長女(4歳)と3LDKのマンションに暮らす

一見きれいなKさんのお宅ですが、ものは多め。とくに思い出のものが捨てられず、ひと部屋が物置きとしてつぶれてしまっているほどです。今回はリビングとキッチンでゆる捨てを始めました。

リビングは、小さいスペースからゆる捨てをスタート

Kさんがまず手をつけたのはリビング。部屋中一気に整理するのは大変ですが、1回たった 15 分だけ、ボックスなど小スペースのものを分別するだけなら無理なく進められます。

●紙袋は使いやすいサイズのものを1枚ずつ残して、ほかは処分
紙袋のゆる捨て

簡単に捨てられそうということで選んだ紙袋の入ったボックス。ゆる捨てにあてたのは平日の昼食後。子どもが幼稚園にいる時間を活用し、不要と思うものを1枚ずつ抜き取りました。

「家の真ん中にあってずっと気になっていたんです」(Kさん)

<捨てたもの>
紙袋ゆる捨てしたもの

「デザインがかわいい、いつか使えるかもと、なんとなくしまっているうちにすごい数になっていました…」(Kさん)

お気に入りのブランドのもの、使いやすいサイズのものを1枚ずつ残して38枚を処分。

【BEFORE】

紙袋入れスツールbefore

色やサイズもまちまちの袋がぎっしり。

【AFTER】

紙袋入れスツールafter

「今までどんな袋が入っているかわからなかったけど、使いたいものが取り出しやすくなりました」(Kさん)

●全部出すのが大変なら間引くだけでもOK!

「捨てる場所を決めたら中身を全部出すのが基本ですが、多すぎると大変なことも。見て判断できそうなら、引き出しや箱に入れたままいらないものだけ抜き取ってもいいですよ」(筆子さん)

●食器を包装されたまましまうのはNG。死蔵品にしてしまう原因に

キャビネットのゆる捨て

次は、リビングのキャビネットをチェックしました。

「将来使おうと思っている食器をしまっているんですが、なにがあるのかわからない状態…。あらためて見てみると発見がありそう」(Kさん)

<捨てたもの>
リビングキャビネット捨てたもの

升や釜飯容器のほか、梱包用のひもや緩衝剤、段ボールを処分。

「しっかり梱包されていることに満足していましたが、開封しにくいせいで、眠らせる原因になっていました」(Kさん)

●大切なものは、取り出しやすくしておきましょう

大切だというものに限って箱に入れたり、奥に突っ込む人が多いですが、取り出しにくい状態にした時点で、さほど大事ではないのかもしれません。大切なら、取り出しやすいしまい方を。

キッチンの食器棚と引き出しのものを減らして、使い勝手を改善

いつも立っているキッチンは、使いにくいのが気になっていたそう。夫が子どもを見ている間に、ゆる捨てスタートです。

●キッチンの棚や引き出しに眠る、出番のない食器を発掘

食器棚のゆる捨て

「引き出しや棚の奥にものをしまい込んでいるせいで、出し入れしにくくて…。今日こそ改善するため、15分間がんばります」(Kさん)

<捨てたもの>
食器棚ゆる捨てしたもの

親にもらった和食器、レンジで魚が焼ける陶器、シロップ薬用のボトル、ミルクウォーマーを処分しました。

「ミルクウォーマーは存在さえ忘れていました(笑)。せっかくもらった和食器ですが、7年間で2、3回しか使わなかったので手放すことに」(Kさん)

【BEFORE】

食器棚before

前のものをどかさないと、奥のものが取れない状態です。

【AFTER】

食器棚ゆる捨て後

手を入れる隙間ができ、使いやすさがアップしました。

●いただきものはもらった時点で役目を果たしています

いただきものは、相手が自分のことを思ってくれる気持ち。受け取った時点で役目は終わっているといえます。「もの」と「感情」をきり離して、必要かどうかを冷静に判断して。

●存在を忘れていたらそれは不用品

どんなに思い入れがあっても、存在を忘れていたら、それはガラクタと同じ。生活に必要ないと考えていいので、手放すか、新品未使用のものは寄付に回すなどしましょう。

ゆる捨てを1週間続けたら…気持ちよく手放すコツがつかめて、身軽になれた

Kさんには、1週間ゆる捨て生活を継続してもらいました。毎日少しずつ実践したことで、徐々に捨てることに慣れてきたといいます。
「今の生活スタイルに合わせて持つことが大事だとわかりました。捨てきれなかったものもまだありますが、再度挑戦してみたいと思っています」(Kさん)

そんなKさんが捨てられたものの一部を見せてもらいました。

●捨てにくかった古いケータイや付属品が捨てられた!

テレビ台捨てた物

テレビ台の引き出しにあった古い携帯電話や故障した録画機器を処分。

「電化製品は捨てにくいと思い込んでいたけれど、案外ラクでしたね」

●見て見ぬふりをしていた紙ものを一掃!

リビングキャビネット捨てたもの

5日後にリビングのキャビネットの引き出しを整理。

「面倒であと回しにしていた紙ものを見直し。薬の説明書を16枚も発見!1週間前は難しいと思っていた場所に無理なく取りかかれました」

楽しみながら着実に捨て力がアップしたKさん。

「ただ、使っているものと使っていないものが混在しがちな傾向にあります。次に使うことを考えて、しまう場所を分けるクセをつければ、使いやすく、捨てるものが見つけやすくなりますよ」(筆子さん)