今日、11月1日は「本の日」だとご存知ですか?
出版不況が叫ばれる昨今ですが、書店がどのような取り組みをしているのかを取材しました。
11月1日は「本の日」。書店の新しい形とは?
「本の日」は、じつは2017年に記念日協会により認定されたばかりの、まだ新しい記念日。
由来は、本棚に並ぶ本を「111」に見立てたことから。
「本の日」実行委員会事務局・宮野正浩さんによると、「『想像・創造の力は1冊の本から始まる』という思いも込められています」とのこと。
書籍は1996年、雑誌は1997年をピークに、長期低落傾向が続く出版業界。
暗いニュースが聞こえる一方で、ただ本を売るだけではない、新しい形の書店が人気を集めています。
カフェを併設したり、雑貨の販売を行ったり、企画展示をしたり、トークイベントを開催したり…。書店という空間や体験そのものを楽しめるような取り組みが話題に。
従来の枠を超え、時代に合わせて書店も進化を遂げているのです。
「本の日」にまつわるイベントが多数開催。林真理子さんも1日店長に!
「本の日」は、本屋さんへ足を運ぼうと呼びかけを行う記念日であると同時に、全国の書店が自分のお店に来店していただくための努力を行うきっかけとなる日となることを目指しているそう。
東京・上野の「明正堂アトレ上野店」、東京・有楽町の「三省堂書店・有楽町店」では、現在放送中の大河ドラマ『西郷どん』の原作者でもある作家の林真理子さんが、1日店長に就任。
三省堂書店では、「『本の日』は買っても買わなくても、とにかく本屋さんに行きましょうという日です。本の中に囲まれて、心ゆくまで楽しみましょう」という、林さん自身の店内放送からイベントがスタート。
林さん自らがレジカウンターで接客をしたり、キャンペーンのチラシを配布しながら、本の日のPRを行いました。
ご自身も書店の娘として育った林さん。
「今日は、本屋さんにお客さんがいっぱい吸い込まれていく光景が見られて、嬉しかったですね。本屋さんって、ひとつのもの目当てで来ても、『あ、これもおもしろそう』ってほかのものにも手が伸びるのがいいところ。好奇心が縦横無尽にぶわーっと広がる場所なので、ぜひ大切にしていただきたいと思います」と語りました。
11月9日までは読書週間でもあり、このほかの書店でも、作家さんのサイン会や、絵本のキャラクターが来店するイベントなど、本にまつわるイベントが多数開催される予定です。
書店は本を売るだけではなく、作品、作品の世界観、作家とを結ぶ、出合いの場所でもあります。
ぜひこの機会に、本屋さんをふらりと覗いてみてはいかがでしょうか?
<撮影・取材・文/ESSE編集部>