病院に行くほどではない不調を医師が解決! 今回は、突然肩が痛くなり上がらなくなったという悩みに、放射線科医の奥野裕次先生が答えてくれました。
突然、肩が痛くなり腕を上げられません
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最近、腕を上げようとすると肩に痛みがあります。これってもしや四十肩? 肩をストレッチした方がいいですか? 病院に行くほどではないですよね…。(エリカさん・43歳・栃木県)
●痛みがあるときは無理に動かさないで
腕を上げたときや、ブラジャーのホックを止めようとすると肩や腕に痛みが出る…それは四十肩かもしれません。正式名称は「肩関節周囲炎」といい、肩の関節にある関節包に炎症が起きるために痛みが出ます。40~50代に発症することが多く、そのため四十肩(五十肩)とも呼ばれます。なお四十肩と五十肩は同じものです。
症状は、就寝時などじっとしていても痛む「炎症期」から、特定の姿勢や動きをしたときに痛む「拘縮期」に進み、痛みが治まり、だんだんと関節が動くようになる「回復期」を経て治ります。
動かさなくても強い痛みがある「炎症期」には、腕を無理に動かさないようにしてください。無理に動かすと症状が悪化し、痛みが長引くことがあります。「回復期」に入ったら、上のようなストレッチをすると治りが早くなります。ストレッチは四十肩の予防にもなるので、痛みのない人も行ってみてください。
●安静にしても痛みがあるなら病院に行きましょう
四十肩の多くは数週間から数か月で治りますが、重症になると1~2年も痛みが続く人も。しばらく様子をみていても痛みが強くなっていくような場合は、我慢せずに整形外科を受診しましょう。関節包の中にステロイドの注射をするという治療方法などがあります。
また痛みが強く、夜も眠れないほど重症の場合は、病気の原因となる異常な血管が発生しているケースも。その場合は「運動器カテーテル治療」という新しい治療法もありますので、慢性痛科などで相談するといいでしょう。