旅行ジャーナリスト小野アムスデン道子さんが、世界中・日本中を巡って出合った「名店の味」のなかから家でも簡単に再現できるレシピをご紹介します。
35年間愛され続ける味!あの青春映画の舞台で味わったポットローストを再現
すべての画像を見る(全7枚)何度観ても胸キュンしてしまう愛され映画ってありますよね。日本でも大ヒットした「Dirty Dancing ダーティダンシング」は、避暑地の山荘に家族で訪れた17歳の少女がダンサーの青年と身分違いの恋に落ちるお話ですが、音楽とダンスがすばらしい!
映画を観たことがなくても、「タイム・オブ・マイ・ライフ」や「ビー・マイ・ベイビー」という曲に聞き覚えのある人は多いのではないでしょうか。
映画の公開は1986年とじつに35年前なのですが、まったく古さを感じさせないキュートな主人公に感情移入してしまいます。
そんな映画のロケ地は、アメリカ南東部バージニア州のペムブロークにある自然に囲まれた「Mountain Lake Lodge マウンテン・レイク・ロッジ」。4月から10月の毎週末、このダーティダンシングの世界観にどっぷり浸れるパッケージを出していて、1年後まで完売してしまうほどの人気ぶり。
ゲストは主人公になりきるコスチュームコンテストや、ダンスレッスンなどに参加することができます。親子で来ている人や、当時を懐かしんで同僚同士で来たというグループも。ダーティダンシング愛に満ちていて、楽しめます!
パッケージは金曜から日曜の2泊3日、799ドル~(2名1室の1名分)で、食事やイベントはすべて料金に含まれています(ドリンク別)。ロッジは、バージニア州の地方空港があるロアノークから車で1時間ほど。ロアノーク空港までは日本から直行便の飛ぶワシントン・ダレス国際空港で乗り換えて約1時間です。
シュージーで深い味わいの絶品ポットロースト
メインダイニングの「Harvest ハーベスト」も、もちろん映画に出てきます。
映画ロケのときから腕をふるっているシェフのマイケル・ポートフィールドさんに、当時のお料理についてうかがったところ「ちょうど今夜のディナーには、当時と同じポットローストが出ますよ」とのこと。
これがもう、ジューシーでほっぺが落ちるおいしさ! お肉をじっくり調理すれば簡単にできて、パーティにもぴったりということで、35年の愛されレシピを教えてくださいました。
●ポットロースト
【材料(5人分)】
- 牛肩ロース塊 900g
- タマネギ 大1個(くし形切り)
- セロリ茎 6本(ななめ切り)
- ニンジン 4本(らん切り)
- 赤ワイン 200cc
- ビーフストック 400cc
- ニンニク 6片
- オリーブ油 大さじ1
- 小麦粉 1カップ
- 塩 大さじ1
- 黒コショウ 小さじ1
【つくり方】
(1) 小麦粉、塩、コショウを混ぜて牛肉にまぶします。
(2) ダッチオーブンに油をひいて中火から強火で熱し、牛肉全体に焼き色をつけます。
(3) 焼き色がついたらいったん牛肉を取り出し、鍋底の牛肉の焦げ目は木べらなどでこそげて取ります。※ここに旨味がたっぷり含まれているので捨てないように!
(4) 牛肉を鍋に戻し、周りに先ほど取り出したおこげ、赤ワイン、ビーフストック、ニンニク、野菜を加えます。
(5) フタをして150℃のオーブンで約1.5時間、または内部温度が70℃に達するまでそのまま置きます。牛肉と野菜を取り除いてサーブします。
(6) 鍋に残った汁は、温めて上からかけるソースに使います。とろみをつけるには、コーンスターチ(または小麦粉)と水をそれぞれ大さじ1杯程度加えます。
シンプルな味つけなのに驚くほど深い味なのは、ダッチオーブンを使っているから。代わりに、ホーロー鍋や厚手のフタのある鍋で牛肉を炒めて、弱火のコンロで2~3時間煮込んでもジューシーにおいしく仕上がります。
・Mountain Lake Lodge https://www.mtnlakelodge.com/
・取材協力/バージニア州観光局 https://www.virginia.org/plan-your-trip/international-visitors/japan/