住宅をリノベーションする際は、既存のものを生かす、再利用するということがよくあります。中古戸建て住宅を購入してフルリノベーションの道を選んだ日刊住まいライターは、コスト削減と地球環境を考慮。断熱材や外壁、設備機器を再利用しました。できあがった家の住み心地、また、メリット&デメリットについて語ります。
すべての画像を見る(全7枚)購入した中古の戸建ては、既存の状態がよかった
中古の戸建て住宅を購入し、リノベーションしたわが家。築35年ということもあり、内部はフルリノベーションしました。
内部については、取り除けない柱などは別にして、ほとんど新しいものにする予定でした。しかし、計画や解体の段階で、住宅の状態を調べた結果、既存の状態がよかったため、再利用できる部分があるということが判明。
断熱材を再利用。窓は刷新することに
外気の温度に影響されず、建物の中の温度を一定に保つために必要な断熱材。
リノベーション計画時には、壁の断熱材はすべて新しいものにする予定でした。しかし、解体工事がはじまり、実際の状態をみてみると、予想していたよりも断熱材の劣化が少ないことが判明。既存のものを再利用し、たりない部分だけ補充することも可能と、施工業者から説明を受けました。
デメリットは、新しい断熱材よりも効果が劣ること。筆者が満足できるレベルに達するかは、未知数と言われました。
既存のものが利用できるとなれば、家一軒分の断熱材の費用がほぼ浮きます。これは、それなりに大きな金額になるはず…。
悩んだ末に、再利用を決定。あわせて、窓を交換するなど、断熱のための対策を強化することも決めました。
実際に暮らしてみた感想はというと…。冬については、暖房器具を使えば、過ごしづらいということはありません。夏も同様に、問題なし。
とはいえ、もちろん断熱性能にこだわった家に、わが家はかなわないかもしれません。筆者が重視したのは、あくまでコストと断熱性能のバランスをとること。その意味では、結果に満足しています。
外壁も再利用。ただし、メンテナンスコストは膨らむ可能性も
わが家のリノベーション計画は、建物の内部がメインでした。しかし、プランニングの際は、外壁の張替えを、施工業者からすすめられました。外壁を張り替えることで、外観もよくなるとともに、耐久性も上がります。
しかし筆者は、「中古住宅をリノベーションする」という選択をしたときから、外観にはこだわりませんでした。費用は、できるだけ内部にかけたい。耐久性の問題さえクリアできれば、外壁は再利用したい。そう、考えていました。
施工業者と相談、検討しつつ、正式に外壁の再利用を決定。これで、100万円単位でコストカットできます。ただし、耐久性を上げるために、塗装をすることにしました。こだわらないとはいえ、色だけでも好みになります。
ちなみに、外壁の張替えに比べて、塗装のみでの対応は、耐久性が劣ります。壁材にもよりますが、一般的には、張り替えた場合、30年前後の耐久性を得られるのに対し、塗装は10年前後。施工業者からは、そう説明がありました。イニシャルコストは抑えられるものの、メンテナンスコストは膨らみがちになるそうです。
なお、塗装した外観については、満足しています。思った以上に、外観に好ましい変化が。あとは、メンテナンス費用を計画的に準備していくことが課題です。
給湯器の再利用で、20万円ほどのコスト削減に
給湯器も再利用したもののひとつです。以前のオーナーが1年前に交換したばかりで、新しいものでした。ただし、追いだきはできないタイプ。
しかし、筆者も家族もそこまでのこだわりはなかったため、コスト削減のメリットを優先しました。現在は、少し不便な追いだきのできない生活を送っていますが、おかげで20万円ほどのコストカットができました。